●グループを離れる不安と覚悟「自分次第で人生が変わる」

アイドルグループ・NMB48の1期生で、美容系YouTuberとしても活躍している吉田朱里が、グループ結成10周年の節目に卒業を決意。今月24日に大阪城ホールで卒業コンサートを開催する。24歳の誕生日を迎えた8月16日に自身のYouTubeチャンネルで行った生配信で卒業を発表してから約2カ月。現在の心境や卒コンへの意気込み、そして卒業後の活動についてインタビューした。



2010年10月にグループが誕生してから中心メンバーとして活動し、グループ10周年と同時に、自身もアイドル10周年を迎えた吉田。大きな節目に卒業を決めたが、「いろんなものが最後に。お世話になっている番組が最後の収録だったり、みんなでやる撮影が最後だったり、寂しいなって思います」と今の心境を明かす。

グループを離れる不安も感じているそう。「10年間、NMB48でしか過ごしていないので、体の一部みたいになっている。人間のベースが固まる14歳から24歳をここで過ごしたので、当たり前が当たり前じゃなくなる怖さがあります」と吐露し、「お仕事で失敗しても帰ってくる場所があって、つらいことがあったときにはメンバーに話を聞いてもらって。それが普通の毎日でしたが、これからは悩みは全部自分のものになるし、責任も全部自分のもの。自分次第で人生が変わるんだなと感じています」と語った。

また、NMB48として過ごした10年間での成長について、「最初の頃は競争がすごかったので、上に行きたいという向上心や競争心の大事さもわかっているし、そんな中で辛いことや挫折もあって精神的に鍛えられたので、人より強いと思います」と自己分析。「自分自身が商品で、周りの人から評価されるので、ダメなところも含めて自分のことをたくさん知ることができました」と振り返る。

さらに、「ファンの方がいたからたくさんの愛を知っているし、人と向き合う大切さ、向き合ってこそ生まれるものがあるということも学ぶことができ、人間としてすごくいい経験ができた」と胸を張り、「後半の3年間くらいは後輩にとっていいことをいっぱい考えるようにしていたので、誰かを支えたいという気持ちも芽生えました」としみじみと語る。



スタッフから「初期の頃は問題児だった」と言われたことも明かし、「自分では一生懸命やっているつもりでしたが、ちょっと生意気だったらしくて。『そんな吉田がこんな風に成長してくれてうれしいよ』と言われたので、10年で変わったんだと思います」と笑った。

卒業を発表したYouTubeの生配信で、メンバー全員の悩みに聞いて一人ひとりにアドバイスを送るなど、メンバーに寄り添ってきた吉田だが、「そうなれたのは最近」とのこと。「卒業するというのが見えてきて余裕が出たというか。最近はみんな頑張ってねっていう気持ちで見られるようになりました」と打ち明ける。

そして、「グループ内だけで一生懸命戦っている子たちにそうしろと言っても無理。順位をつけられるグループなのでそんな優しい気持ちにはなれないし、優しい心を持った子が結果を出せないこともある世界なので」と厳しいグループ内競争に触れた上で、「何か自分の武器を見つけたら、広い世界で違った努力の仕方をすればいい。私はそう変われて楽になりました」と、自分の武器が見つかればグループの外で勝負できるようになると語った。

●YouTubeとプロデュース業にさらに注力「憧れてもらえる生き方を」



吉田にとって大きな転機となったのが、2016年2月のYouTubeチャンネル開設だ。「最初はツイッターで30秒くらいの動画を上げていて、1つバズッた動画があったんです。そして、短い動画だと伝えきれないのでYouTubeでメイク動画などを公開していきたいなと。そこから独学で動画編集を覚えました」。今では美容系YouTuberとして多くの女性から支持され、コスメブランド「B IDOL」(ビーアイドル)をプロデュースするまでに。

卒業発表の際に「1人の女性として夢を叶えたい」と話していた吉田。その夢について尋ねると、「『B IDOL』を大きくして商品を増やしたいですし、ほかにも美容を軸として自分がほしいと思うものをプロデュースしていきたいと思っています。自分が求めているものは、世間の皆さんも求めているものなのかなと思いますし」とプロデュース業への強い思いを述べ、「私だから作れるコスメだったり、私だから作れる商品をこれからも生み出していきたい」と目を輝かせた。

YouTubeもこれまで以上に力を注いでいく。「YouTubeをやって良かったなと思うのは、アイドルだけど同じ人間なんだとわかってもらえて、親近感を持ってもらえたこと。これからも成長していく過程をファンの方に見せていきたい」と意気込み、「皆さんに憧れてもらえる生き方をしたいと思っていますが、その憧れが遠いものではなく身近に感じてもらえるように。私を応援してくださった方が50歳、60歳になったときに、自分の孫とかに『おばあちゃんの憧れはずっとこの人やったんやで』と言ってもらえるような、長く皆さんの人生に寄り添える存在になりたい」と語った。







YouTubeは素の自分を見せることを意識しているという。「飾れば飾るほど嘘になると思うので、このまんま。例えば、お仕事が嫌になった日が来たら、それもファンに正直に伝えて『今日はやりません』っていうのも見せてもいいんじゃないかなって。そこから這い上がる姿が誰かの心に響くかもしれないですし」と説明し、「女性として働く強さも見せていけたらいいなと思うし、働くことの楽しさも知ってほしいなと思うし、可愛くなる楽しさ、きれいでいる楽しさも伝えていけたら」と続けた。

また、なりたい自分になりきるという生き方をしていると告白。「ずっと自分が物語の主人公だと思っていて、今日はこういう物語だからこの服を選んでこのメイクをするっていう生き方をしています。小さい頃にシルバニアファミリーとかメルちゃんとか、着せ替え人形やごっこ遊びがすごく好きだったので、その習慣がついているのか、その日なりたい自分になりきる自分がいます」

そして、「自分が主役になって楽しむことを皆さんにも知ってほしい」と力を込め、「海外ドラマを見て海外っぽいメイクにし、仕草も海外っぽくしたり、打ち合わせがある日は打ち合わせができるキャリアウーマン風になりきってみたり。そうすると毎日楽しいんです!」と熱く語った。

●卒業コンサートで吉田朱里推しカメラ「気が抜けない」



卒業後は、プライベートをどう充実させるかというのも、一つ大きな挑戦だという。「NMB48にいると毎日スケジュールが詰まっていましたが、1人になって時間ができたらどうなってしまうんだろうって。時間があることがプラスになればいいですけど、プライベートを充実させることを知らない10年間だったので。旅行に行ったこともないので、旅行のチケット取れるのかなぁとか、未知の世界ですが、車の免許をとったり、いろんなことに挑戦してみようと思っています」

コロナ禍の自粛生活で休日の大切さも感じたそうで、「今までは休みなんていらないと思っていましたが、家にいて家事をするという生活が嫌いではなかったので、身の回りのことをちゃんとできるくらいのリズム感を作りたいなと。最近は時間があるときはちゃんと自炊もするようになりました」と家での時間も大切に。そして、「アイドル生活の中で、自分がやることを全部ファンの方にお届けするスタイルを築き上げることができたので、そういったこともどんどん見せていけたら」と、生き方そのものを積極的に発信していく。

24日に大阪城ホールで「NMB48 吉田朱里卒業コンサート〜さよならピンクさよならアイドルから」を開催する吉田。ABEMAでは、同コンサートを『NMB48ライブ@大阪城 生配信! 卒業する吉田朱里推しアベマ独占増設カメラ放送』と題し、ABEMA PPV ONLINE LIVEで18時から生配信し、吉田を追いかける独占映像を含めて届ける。また、22日19時からは特別番組『NMB48吉田朱里あさって卒コン! さよならアイドル…卒業直前のアカリン独占60分』を配信する。

吉田は卒業コンサートについて、「今までいろんな先輩方、同期、後輩メンバーが卒業していきましたが、誰ともかぶらない卒業コンサートだと思っていますし、びっくり箱みたいになっていると思います。どの時代の私のファンの方も、最近好きになってくれた方も楽しめるような内容になっています」とアピール。

また、吉田だけを追うABEMA独占の“吉田朱里推しカメラ”があるため、「気が抜けない」と言い、「私だけを追ってくださるので油断できないなと。私、後ろを振り向いたときに、けっこう変顔しているんですよ。しんどくなったときとかに。そういうのを気をつけないといけないなと思っています」と笑った。

最後に改めて、卒業後の活動について「皆さんの人生に寄り添えるような、女性として憧れてもらえる存在だけど、どこまでいっても身近に感じられる人になりたいと思っています。皆さんが困ったときも、アカリンのところに帰れば大丈夫って思ってもらえるような安心感のある人になりたいです」と笑顔で語った。

■吉田朱里

1996年8月16日生まれ、大阪府出身。2010年に「NMB48オープニングメンバーオーディション」に合格し、NMB48の1期生として活躍。2016年にYouTubeチャンネルを開設し、美容系YouTuberとしても注目されている。24歳の誕生日を迎えた今年8月16日に自身のYouTubeチャンネルで行った生配信でグループ卒業を発表。10月24日に大阪城ホールで卒業コンサートを開催する。