台湾・台北の総統府前で行われた建国記念日の祝賀式典で、台湾旗を掲揚する準備をする憲兵ら(2020年10月10日撮影、資料写真)。(c)Sam Yeh / AFP

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【AFP=時事】南太平洋の島国フィジーで台湾の出先機関が開いた宴会で、台湾と中国の外交関係者らが乱闘になる騒ぎがあり、双方は19日、非難の応酬を繰り広げた。中国側は、宴会で出されたケーキの飾りの台湾旗がヒートアップの原因になった可能性を示唆した。

 台湾側によると、フィジー首都スバにあるグランドパシフィックホテル(Grand Pacific Hotel)で8日、出先機関の台北商務弁事処が台湾の建国記念日を記念して宴会を開き、賓客100人が招かれた。

 その会に、招待されていない中国関係者2人が出席し、賓客らの写真を撮り始めたため退場を求めると、2人は台湾の職員1人に対する暴行に及び、同職員は病院に搬送されたという。

 台湾外交部の報道官は「法の支配と品行規範に著しく違反した在フィジー中国大使館の行為を強く非難する」と述べた。

 一方中国側は、異なる説明をしている。在フィジー中国大使館は、同館の職員2人は式典当日に「公務」で「会場外の公共エリア」にいたと発表。台湾の職員1人が「挑発的な行動を取り、中国の外交官1人を負傷させ、損害を与えた」と主張した。

 また中国外務省は19日の会見で、自国の大使館職員らは、台湾旗が描かれたケーキなど、宴会の詳細を知っていたと発表。

 外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は記者団に対し、「偽の国旗が会場に公然と飾られ、ケーキにもこの偽の国旗があしらわれていた」と指摘した。

 台湾側は、中国側の職員2人は警察に連行され、自分たちが攻撃されたと「虚偽の訴え」をしたと批判している。

 フィジー警察はAFPに対し、現在調査中で、本件に関してフィジー外務省と連携していると述べたが、それ以上の詳細は明らかにしていない。

 中国の外交官らは近年、自国の国益を国外で好戦的に追求する姿勢を強めており、この戦術は「戦狼外交」とも呼ばれている。

 中国政府は2016年以降、台湾と外交関係を持つ7か国に断交させ、代わりに中国との国交を樹立させた。台湾を国として正式承認しているのは、南米と太平洋地域の小国を中心に15か国のみとなっている。

【翻訳編集】AFPBB News

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