ロッテ・井口監督、中日・与田監督、巨人・原監督、オリックス・中島監督代行(左上から時計回り)【写真:荒川祐史】

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早大の早川や近大の佐藤、中京大中京の高橋らの競合が予想される

 2020年のドラフト会議は10月26日に開催される。今年は新型コロナウイルスの感染拡大によりリモートでの実施となるドラフト。果たして各球団はどのような戦略を思い描き、そしてどの選手に1巡目で入札するのだろうか。

 今年のドラフトの注目株は早大の早川隆久投手や近大の佐藤輝明内野手、高校生では中京大中京の高橋宏斗投手、明石商の中森俊介投手、福岡大大濠の山下舜平大投手などが1位候補として注目され、重複指名となる可能性も。重複となった場合は各球団の代表者によるくじ引きで交渉権が確定する。

 この重複指名でのくじ引きは毎年ドラマが起こる。ファンにとっても、超有望株をひいきのチームが引き当てるかどうかは手に汗握る瞬間だろう。ドラフトの醍醐味の1つでもある。

 では、このくじ引きに“強い”球団はどこなのだろうか?過去10年のドラフトを振り返り、12球団のくじ引き“勝率”を検証してみよう。

傑出するロッテと中日の強さ、巨人とソフトバンクは苦戦中

1 ロッテ 勝率.692(13戦9勝)
2 中日 勝率.625(8戦5勝)
3 楽天 勝率.462(13戦6勝)
4 西武 勝率.400(5戦2勝)
5 日本ハム 勝率.357(14戦5勝)
6 広島 勝率.333(9戦3勝)
7 ヤクルト 勝率.308(13戦4勝)
7 阪神 勝率.308(13戦4勝)
9 ソフトバンク 勝率.250(12戦3勝)
9 DeNA 勝率.250(12戦3勝)
11 オリックス 勝率.100(10戦1勝)
12 巨人 勝率.091(11戦1勝)

 傑出して高いのはロッテと中日の2球団。ロッテは13度競合して9度当たりクジを引き、中日は8回中5回で当たり。両チームとも勝率は6割を超えている。ロッテは2017年の外れ1位の安田尚憲から藤原恭大、佐々木朗希と3連勝中。中日は根尾昂、石川昂弥と強打の野手2人を2年続けて引き当てている。

 この2球団に続き楽天、西武、日本ハム、広島などが続き、オリックスは10度競合して、引き当てたのは2017年の田嶋大樹のみで勝率.100。巨人に至っては引き当てたのは、2011年の外れ1位の松本竜也のみで勝率.091と最もくじ運に恵まれない結果となっている。巨人は現在くじ引き9連敗中。ソフトバンクも6連敗中だ。

 この10年間で最も競合が多かったのは日本ハムで14回。例年、その年の1番いい選手を指名するという指名方針を掲げており、必然的に競合が多くなっているか。阪神、ロッテ、楽天が13度となり、最も少ないのは西武の5回。一本釣りを狙う戦略が伺える。

 外れ1位ではなく、純粋な1巡目指名だけを見てみると、最も強いのは中日。過去10年で7度、競合して上述の根尾、石川だけでなく、2011年の高橋周平、2016年の柳裕也と4度引き当て、勝率は.571。ロッテは9度競合して安田、藤原、佐々木朗に加えて2011年の藤岡貴裕、2013年の石川歩と5人を当てている。

 ドラフト戦略の行方を大きく左右する重複指名でのくじ引き。果たして今年はどんなドラマが起こり、そして、どの球団が笑うことになるだろうか。(Full-Count編集部)