コロナ禍で結婚式やるべきか?「キャンセル料100万以上」で下した決断

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 結婚式・披露宴の準備は、まず半年〜1年前に会場を押さえるところから始まる。これまで「仕事の予定が読めない」と約1年後の式場予約を不安視するカップルは多かったものの、それでも会場の予約をしてしまえば滞りなく約1年後には結婚式・披露宴を迎えられた。

 しかし2020年、突如大流行した新型コロナウイルスの影響で、予定していた結婚式の計画が台無しになってしまったカップルが続出。コロナの流行から半年以上が過ぎた今、彼らはどのようにして結婚式を行ったのだろうか。

◆3月の桜がキレイな時季に結婚式をするはずが…

「二人ともが花が好きだということもあり、3月下旬の桜が満開の季節に結婚式を予定していたのですが……」

 橋本陽一さん(仮名・34歳)は残念そうな表情を浮かべ、自身の結婚式の延期と変更について打ち明ける。すでに1年前に入籍済みだったものの、結婚式は2020年3月に挙げる予定だった。しかし突然のコロナによって実施可否の判断を迫られてしまう。

「妻の親族と友人が関西からたくさん来てくれる予定でしたが、結婚式の予定日から1か月前に延期を決定しました。両親が高齢のため心配だったこともありますし、世間的な目もあります。2月から3月にかけて、あの頃はかなり敏感でしたよね?」(橋本さん、以下同)

 橋本さんは式場とも話し合い、10月上旬まで結婚式を延期した。当時は「10月になればきっとコロナも落ち着いているに違いない」と確信していたそう。多くの人がそうなることを願っていたはずだ。

「それに、単純に結婚式を中止してしまうと100万円以上のキャンセル料が発生してしまうことも悩みのタネでした。延期ならキャンセル料や延期に伴う費用は発生しないということでしたので、10月に延期しました。桜の時期というこだわりは諦めざるを得なかったのですが……」

 唯一発生するかもしれなかったのは「招待状の再発送」のための実費。10月の日付で送りなおす場合はその費用だけがかかると言われたそう。だが、橋本さんはメールなどで対応する予定だったため、特に延期に伴う費用の請求はなかったという。

◆コロナは収束せず、再び延期か中止の判断を迫られる

 しかし8月・9月になり、演劇やイベントなどが慎重に再開しはじめたとはいえ、決して「コロナが収束した」とは言えない状況が続いていた。

「10月上旬の結婚式さえも、果たして予定通りやっていいのかが微妙な空気になっていきました。僕の両親も妻の両親も中止したら? と言い始めて。延期するにしても、いつやれるかわからないし、僕らも招待客もお互いにしんどいんじゃないか、と。

 僕ら夫婦も同じ気持ちではありましたが、とにかくキャンセル料がエグくて……。何もしていないのにキャンセル料として100万円以上を式場に支払わないといけないというのは納得できませんでした」

たとえ結婚式を中止したとしても、記念に結婚写真は撮りたいと考えていた橋本さん夫婦。しかし写真を撮るにしても料金や調整が発生するため、「結婚式を予定通りやっちゃって、当日写真も撮影する方が最終的に安そう」という判断になったのだという。

「中止という決断はこれまで様々な打ち合わせや衣装合わせなどをやってきた経緯を考えると避けたかった、というのもあります。節目をちゃんと作りたかったのもありますね」

◆「親族のみ」で小規模に

 結局、50人以上の招待客を会場に集めるというのはできないと判断。規模を縮小し、「親族のみ」の結婚式にすることで話はまとまった。

「招待状を送っていた会社の人や友人は残念そうではありましたが、『俺たちが決めることではないから仕方ないよ』『またみんなで集まろうね〜』って言ってくれる人ばかりだったので救われましたね。

 結婚式自体は親族のみでも楽しかったです。もちろん本音を言えば友達も呼びたかったですけど……。それよりも1年半前の5月くらいから準備していたから、『やっと終わった!』という気持ちの方が強いかもしれません」

 最終的に、小規模での結婚式・披露宴に変更することでキャンセル料も発生せず、楽しい時間を過ごすことができた橋本さん。通常よりも長い期間をかけて結婚式の準備をしたことでの疲れはあるものの、「やって良かった」と思えたというのは何よりの救いだ。<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA