中国黒竜江省牡丹江市で建設が進むパンダ飼育施設の完成イメージ=中国国営中央テレビ(CCTV)のニュースサイトから

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 中国最北の黒竜江省にある牡丹江市で、新たなパンダの繁殖拠点の建設が進んでいます。

 パンダのふるさとの四川省にある施設に次ぐ規模といいます。冬には気温が零下30度を下回ることもある同市での建設には、中国のネット上で「気候はふさわしいのか」と心配する声が寄せられました。

 当のパンダからすると、どうなのか――。東京の上野動物園で計23年間、飼育員を務めた佐川義明さん(73)に、パンダの「カンカン」とのエピソードなどを交えて語ってもらいました。

 ――飼育員の目から見て、パンダはどんな動物ですか。

 小さい子供のうちはだいぶ気を使いますが、大きくなってしまえば、特に飼育が難しい動物というわけではありません。生まれて2年もすれば体重は60キロほどになります。飼育員より力が強くなると同じ部屋には絶対入ってはいけないという注意点がありますが、名前を呼んだり、好物のサトウキビなどを置いたりすれば、外の獣舎に出てきてくれます。

 ――パンダは竹をたくさん食べますね。

 好みがあるので、飼育する側としてはパンダが好む竹の確保に腐心します。主食の竹は1日20〜30キロ食べないと栄養が足りません。食べる量が多いのは、もともと肉食だったからだと言われています。

 草食動物の腸は長く、肉食動物は短いのが特徴ですが、パンダは短めです。昔、すんでいた環境が変化し、山奥に移動したパンダが肉にありつけず、竹を食べ始めたことで生き残ったのではないかと言われています。

 ――パンダは肉を食べなくなったのですか。

 私は10年ほど前まで飼育員をしていましたが、当時はミルクがゆに栄養補給として馬肉を少し混ぜて食べさせました。しかし、ライオンや虎のように、肉の塊を食べさせるということは、ほかの園でもないと思います。

 ――中国で建設中の新しい施設について、ネット上では寒さを心配する声もあるようです。

 心配ないと思います。中国にはパンダの飼育について50年以上の歴史があり、世界一ともいえる確立した技術があります。零下30度のときには屋外に出すのは難しいとは思いますが、暖かくした部屋で飼育すれば大丈夫ではないでしょうか。

 ――寒さには強いのですか。

 基本的には、涼しい環境を好む動物です。出張などでパンダの故郷である四川省の山奥に実際に何度か行くことがありましたが、気候は肌寒いくらいの場所です。パンダの体毛は薄いところでも5センチほどはあり、そんな「毛皮」を着ているわけですから、寒さには強いです。

 ――上野動物園ではどうしていましたか。

 雪が降っても屋外に出していましたよ。カンカンには、雪だるまを作ってあげました。目にナツメの砂糖漬け、腕にはサトウキビを使ったりして。結構喜んで遊んでいました。東京で雪が降るくらいの寒さは平気だと思います。