iPhone 12シリーズのdocomoやau、SoftBankでの最大通信速度を確認!

既報通り、Appleが新しいスマートフォン(スマホ)「iPhone 12 mini」および「iPhone 12」、「iPhone 12 Pro」、「iPhone 12 Pro Max」を発表しました。日本でもすでにiPhone 12とiPhone 12 Proは予約受付が実施されており、10月23日(金)に発売されます。

またiPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxについては11月6日(金)22時に予約受付を開始し、11月13日(金)に発売されます。価格(金額はすべて税込)はすでに紹介しているようにAppleおよび量販店におけるSIMフリー版ではiPhone 12 miniが82,280円から、iPhone 12が94,380円から、iPhone 12 Proが117,480円から、iPhone 12 Pro Maxが129,580円からとなっています。

そんなiPhone 12シリーズの共通したトピックが4機種ともに「5G(第5世代移動通信システム)」に対応した点で、Appleの発表会でも5Gについて時間を割いて紹介していました。iPhone 12シリーズの5Gは4機種ともに仕様は共通で、アメリカ向けのみがより高速・大容量な高周波数帯のミリ波(mmWave)に対応し、それ以外の国・地域で販売されるモデルはSub6のみに対応します。

AppleではiPhone 12シリーズの5Gにおける最大通信速度(理論値)はSub6では下り3.5Gbpsを実現するという。アメリカ向けのミリ波対応モデルでは下り4Gbpsとなることが紹介されていました。そこで今回は日本で利用する場合のNTTドコモおよびau、SoftBankにおける最大通信速度(理論値)を紹介したいと思います。


iPhone 12シリーズすべてが5Gに対応し、現時点では最も多くの5Gの周波数帯に対応したスマホであると紹介されました



Sub6では下り最大3.5Gbpsに対応し、日本向けモデルでは18バンドをサポートしています。iPhone 12シリーズでは5Gをより効率よく利用できるようにバックグラウンドでの通信などの高速通信が必要ないときに自動的にLTEへ接続してバッテリー消費を抑える機能にも対応



ミリ波では下り最大4.0Gbpsに対応するもアメリカのVerizonのみで利用可能。ミリ波の対応周波数帯は28GHz(n261)と39GHz(n260)をサポートし、日本で割り当てられている28GHz(n257)には対応しない

まずはじめに日本で販売されるiPhone 12シリーズのモバイルネットワークにおける仕様を確認しておきます。なお、日本で販売されるiPhone 12シリーズは各販路共通で、モデル名はiPhone 12 miniが「A2398」、iPhone 12が「A2402」、iPhone 12 Proが「A2406」、iPhone 12 Pro Maxが「A2410」となります。

5Gは5G NR方式におけるNSAおよびSAをサポートし、Sub6のみに対応し、4Gは4x4 MIMOとLAA対応のギガビットLTEとなっています。その他にも3GのW-CDMA方式や2GのGSM方式にも対応しており、対応周波数帯は共通して以下の通りとなっています。現在、日本で移動体通信事業者(MNO)の各社が提供している5Gはn77およびn78、n79なのですべてに対応していることになります。

5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n38、n40、n41、n66、n71、n77、n78、n79)
FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48)
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)


【NTTドコモは「下り3.4Gbpsおよび上り182Mbps」】

NTTドコモでは今年3月25日の5Gサービス開始時時点ではSub6のみで提供し、下り最大3.4Gbpsおよび上り最大182Mbpsでしたが、その後、9月23日よりミリ波によるサービスも提供開始し、下り最大4.1Gbpsおよび上り最大278Mbpsで提供しています。また今冬には上り最大480Mbpsに対応予定となっています。

同社で利用する周波数帯はSub6の3.7GHz帯(n78)および4.5GHz帯(n79)、ミリ波の28GHz帯(n257)となっており、このうちのn78およびn79がiPhone 12シリーズで対応しています。これにより、NTTドコモにおけるiPhone 12シリーズの5G NR方式における最大通信速度は下り3.4Gbpsおよび上り182Mbpsとなっており、Sub6のみに対応したAndroidスマホの最大通信速度と同様となっています。



【auは「下り3.4Gbpsおよび上り183Mbps」】

auも今年3月26日の5Gサービス開始時時点ではSub6のみで提供し、当初は下り最大2.8Gbpsおよび上り最大183Mbpsでしたが、その後、下り最大3.4Gbpsに高速化し、さらに9月17日よりミリ波によるサービスも提供開始し、下り最大4.1Gbpsおよび上り最大481Mbpsで提供しています。

auで利用する周波数帯はSub6の3.7GHz帯(n77、n78)およびミリ波の28GHz帯(n257)となっており、このうちのn77およびn78がiPhone 12シリーズで対応しています。これにより、auにおけるiPhone 12シリーズの5G NR方式における最大通信速度は下り3.4Gbpsおよび上り183Mbpsとなっており、Sub6のみに対応したAndroidスマホの最大通信速度と同様となっています。

なお、KDDI広報部に確認したところでは、auではiPhone 12シリーズの4G(LTE・WiMAX 2+)の最大通信速度は下り1637Mbpsおよび上り112.5Mbpsとなるということです。



【SoftBankは「確認中」】

SoftBankについては今年3月27日の5Gサービス開始時時点ではSub6のみで提供し、当初は下り最大2.0Gbpsおよび上り最大103Mbpsでしたが、その後、下り最大2.4Gbpsに高速化しています。なお、現時点ではSoftBankではミリ波でのサービスは提供開始していません。

同社で利用する周波数帯はSub6の3.7GHz帯(n77)およびミリ波の28GHz帯(n257)となっており、このうちのn77がiPhone 12シリーズで対応しています。なお、SoftBankにおけるiPhone 12シリーズの最大通信速度は現在確認中なので、分かり次第更新したいと思います。



【楽天モバイルは「確認中」】

最後に楽天モバイルはiPhone 12シリーズは取り扱わないため、利用できるかどうかも不明ですが、同社では今年9月30日に5Gサービスを提供開始しています。周波数帯は3.7GHz帯(n77)および28GHz帯(n257)となっており、現時点では最大通信速度は下り870Mbpsおよび上り110Mbpsとのこと。

また2020年11月中にSub6にて下り2.13Gbpsおよび上り183Mbps、ミリ波にて下り2.8Gbpsおよび上り275Mbpsに向上する予定となっています。iPhone 12シリーズはSub6のみに対応しているため、利用できたとしても最大で下り2.13Gbpsおよび上り183Mbpsとなりそうですが、何よりも実際に使えるかどうかをまずは検証する必要があります。



記事執筆:memn0ck


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