拡散する「朝に食べたらNGな果物」の大ウソ。踊らされないで!
 朝NGは、大誤解。

 美白・美肌のために、ビタミンCが豊富なオレンジやキウイフルーツを積極的に食べている。しかも食べ方として、「朝NG、夜OK」を徹底している人はいませんか? この話は、以前テレビの情報番組で大きく話題となり、インターネット上でも広く取り上げられています。しかし、これってどこまで信憑性があるのでしょうか?

 実は結論から言えば、これは大きな間違い。つまり、朝にキウイを食べてもオレンジを食べても大丈夫であるということで、これを聞いて安心する人は少なくないはずです。

 そこで今回は、この問題について誤解解消につながるようなお話。先日ゼスプリインターナショナルジャパン(株)が開催したメディアセミナーで、駒沢女子大学人間健康学部の西山一朗教授からレクチャーを受けたお話をふまえて、整理・要約してみました。

◆誤解の原因になった「ソラレン」とは?

 まず最初に、なぜオレンジやグレープフルーツ、キウイフルーツが心配されたのかというと、これらの果物には「ソラレン」という光毒性(光増感作用)を持つ化合物が含まれており、日焼けしやすくなるのではないかという疑念から話題になったようです。この話は5年前の某テレビ番組で紹介されて以降、他のTV番組やインターネット上でも広く長く拡散。この情報を見た・聞いた人々が、真面目に朝NGを実践している状況を見かけるようになりました。

※「ソラレン」とは?
フロクマリンという化合物の一種。柑橘類の皮、イチジクの葉やパセリ等のセリ科植物などに含まれ、光毒性を有するものが多い。

 この真偽を確かめるべく、西山教授のチームがキウイフルーツ(ゼスプリ・グリーンキウイ/サンゴールドキウイ)にソラレンが含まれているのかを分析することになりました。そして結果は、皮の有無に関わらず、キウイフルーツの果実からソラレンを含むフロクマリン類はまったく検出されませんでした。つまり、話題となった話は、大きな誤解だったということが判明したのです。

◆キウイを一度に4200個食べたとしても心配ない

 つまり、キウイフルーツにソラレンが多く含まれるという噂は完全な間違いで、分析の結果、ゼスプリキウイを一度に4200個食べたとしてもソラレンによる光毒性を心配する必要はない! ということ。

◆オレンジやグレープフルーツなども大丈夫

 私たちが知りたいのは、キウイがセーフということだけではないはずです。同じくメジャーなオレンジやグレープフルーツなどが大丈夫かということまで確認したいのではないでしょうか? それに答えるべく西山教授に提示してもらったのが、このデータ。
 キウイフルーツ(果肉/果皮)は423キログラム、オレンジジュースやグレープフルーツジュースは一度に大量摂取しない限り、光毒性を心配する必要はないということになります。厳密には、朝、柑橘ジュースを一度に1リットル以上飲まない限り、リスクはないと理解してよいでしょう。

※フロクマリン10mgの意味
ソラレン類の摂取によって影響が出るか出ないかの閾値が15mg程度であると指摘する論文(Food Chem.Toxicol.,29,523-530(1991)を元に、安全のため10mgの摂取で日焼けが増す可能性があるとして、西山教授らのチームが分析・算出を行った。

◆噂を広めた発端の番組に確認したら……

 さらに西山教授らが、噂の発端や拡散原因となった番組を制作したテレビ局(複数番組)に事実確認を求めたところ、いずれも根拠がない情報であったことが判明したとのことでした。

 最後に、西山教授は、ソラレンとはそもそも「危険有害性情報(※)」において「警告」の区分とされる有害物質であり、よほどの根拠がない限り安易に、特定の食品に多く含まれるということは許されないはず、とのこと。