なでしこ高倉監督が会見に出席し、初選出3選手の評価や、男子日本代表への思いを語った。写真:早草紀子

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 なでしこジャパンは10月16日に、トレーニングキャンプに臨む代表候補23名を発表。高倉麻子監督がオンライン会見に出席し、初選出となった3選手の評価や、約1年ぶりに国際試合を行なった男子日本代表への思いを語った。

 なでしこは今年3月にアメリカで行なわれ、3連敗で幕を閉じた「2020 SheBelieves Cup」以降、新型コロナウイルスの影響により活動が休止。今回のトレーニングキャンプは、約7か月ぶりの再開となる。

 久しぶりの活動を迎え、会見の冒頭に高倉監督は「3月のアメリカ遠征以降、コロナの影響でサッカー選手、またスポーツ全般の活動がなかなかできないなかで、今回こういった形でなでしこの活動ができることを本当に嬉しく思っています」と喜びを露わにし、来年7月に予定されている東京オリンピックへの意気込みを語った。

「オリンピックが延期になったことで、選手にはいろんな心のなかでの葛藤であったり、サッカー対してまた自分を見つめ直したというなかで、リーグが再開して選手のパフォーマンスを見て、またいろんなことを考え、オリンピックに向かってまた新たに進んでいきたいと強く思いました」
 
 一方で男子の日本代表は、欧州組限定のメンバーでオランダでの合宿を実施。10月9日にカメルーン代表と、13日にはコートジボワール代表との国際Aマッチが実現した。女子代表を率いる指揮官も、この取り組みを注視していたようで、「シンプルに羨ましかった」と率直な感想を述べた。

「本当にいよいよサッカー界が動き出しているなということを感じましたし、試合ができることに対して、もうシンプルに羨ましかったです。やはり強度の高いチームと、コンディションも良くゲームができているところは見て取れました。本当に高いインテンシティでゲームをやる重要性というのは私自身もひしひしと感じているので、男子が頑張っていることで選手も、代表として戦うという思いを強くしたと思います」
 
 また今回の招集メンバーには、初招集となった中盤の“新顔”3人が名を連ねた。伊藤美紀(INAC神戸レオネッサ)、塩越柚歩(浦和レッズレディース)、脇阪麗奈(セレッソ大阪堺レディース)だ。この3選手のそれぞれの選出理由についても明かしている。

「(初選出については)非常にパフォーマンスが良く、新たな可能性を広げる意味でも呼びました。伊藤選手は小柄ですが、非常にゲームの流れを読むのが得意で技術もしっかりしています。塩越は浦和でずっと監督の信頼を得てプレーを続けていますし、やはりボールを持った時の瞬間的なスピードや、ゴール前に入っていくパワーは海外でも通用するかなっていうのは思いました。またユーティリティ性もあると感じたので今回選出しています。

 脇坂に関しては、まだ若いですが、ボールを拾ってつなぐ、相手を潰すことに関しては非常に特別な力がある選手だと思っています。いま、なでしこの中にはいない潰し役というところでの特徴をなんとか組み込みたいなと思い、選出しています」
 
 なでしこジャパンのキャンプは、19日から26日にかけてJヴィレッジで行なわれる。来年に迫るオリンピックに備え、貴重な機会となりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部