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我々M&Tグループでは、顧客である企業の従業員様向けのお金の勉強会を実施させて頂いているのですが、その中でよく頂くご質問とそれに対する回答をご紹介します。
世の中の人が、お金に対してどのような悩みを持っているのか、またその解決策をご自身のライフプランニングに活かして頂ければ幸いです。

■将来のために計画的に貯金や投資をする事の大事さは分かるが、今が苦しくならないような方法も知りたい

今の生活費・娯楽費を切り詰めるという事は、自分の未来のためとは言え、今の楽しみを放棄してしまう事に繋がりますので、悩まれている方が多いようです。

この悩みを考えるにあたっては、まず自分の中で「苦しい状態」とはどういう状態か確認し、明確に定義してみましょう。その上でその「苦しい状態」にならない範囲で、今と未来のバランスを取りながら、投資計画を立ててみましょう。

例えば筆者の例で言うと

服は全部捨ててユニクロで揃えてみました
携帯代は月に1,500円です
賃料の安い家に引っ越し予定です

上記は筆者と筆者の家族の場合、ストレスになりませんでした。つまり上記のような状態でも苦しくない状態と言えます。この苦しくない状態の中で浮いてくる資金を投資に回せば、生活は苦しくなることはありません。

苦しい状態の定義を確認した結果、仮にですが、

「今苦しくないようにするためには将来に1円もお金を残しておけない」

となるとすると、解決策としては収入を増やすという事になります。
収入を増やす方法としては、給料が上がるように努力したり、キャリアアップのために転職したり、ビジネスを起こしたり、短期トレードをしたり、と色々方法がありますが、収入を増やすことは、総じて支出を減らす事よりも難易度が高く、いずれの方法も相応のリスクとたくさんの努力が必要ですので、覚悟があるならばこのような選択肢もありだと思います。

資産運用をするにあたっては、目標設定が大事だという事を学びましたが、目標が立てられません。そんな中とりあえず積立投資を始めるのはどうなんでしょうか?

回答する前に、本当に目標がない人は積立投資をしないと思います。

質問者様もきっと気づいていないだけで目標があるはずです。例えば将来お金に困りたくない、経済的に豊かになりたい、幸せになりたい、お金持ちになりたいなど、それは漠然としているかもしれませんが立派な目標だと思います。

投資をする上で目標設定は重要です。目標設定とはなりたい自分を想像することです。その上で、そのためなら自分はどこまでお金や時間を使えるか、努力が出来るか、リスクを取れるかが分かってきます。これは他人では分からないです。自分自身の事ですのでしっかり自分や家族、人生と向き合ってみて目標設定してみてください。
前置きが長くなりましたが回答に入りたいと思います。

■とりあえず積立投資をするメリット

メリットは何といっても時間を味方にできることです。投資は時間をかければかけるほど負けるリスクも低くなり運用益(リターン)も大きくなります。2019年6月に公表されて話題となった金融庁の報告書でも長期・分散・積立投資が推奨されています。

■デメリット

デメリットとしては、急遽資金が必要になった場合、取り崩す必要性が出た時に市場が暴落していれば損失が発生するという事です。

株や投資信託の価格というのは常に変化しており、時にはどこかの国や企業の不祥事や事故が発生して暴落するなど、上がったり下がったりしながら長期的には上がってきました。

しかし、取り崩さないといけないタイミングと暴落が重なれば換金した時に損が出てしまう、という事です。そのため長期投資においては、目標設定とリスク管理が重要になってきます。

そのためにも、あくまで目標のための積立なのでそれまでは崩さない、とか、「急遽資金が必要」とはどんな時か、また「急遽資金が必要になった時」に備えて最低限の預金は確保できているかなど、よく検討する必要があります。

これは人によって尺度がバラバラですので自分自身で考える必要があります。

例えば、1年後に結婚式を控えていてそのための資金を運用するのか?
こういった答えも人によって変わってくることになります。

目標設定について付け加えると、世の中は凄まじいスピードで変化し続けていますし、私たち人間も仕事や家族関係や人間関係などの様々な環境の変化や気持ちの変化、知識を付けたことによる価値観の変化が時と共に起こります。

そういった変化が常に起こり続ける中、当初設定した目標に縛られると自分にとって最適な行動ができない可能性がありますので、目標はそういった環境や価値観の変化と共に見直していく事をお勧めします。

ある方の事例で、数年前はマイホームを絶対買いたいと言っていた方がいます。当初その方はマイホームを買う目標のために一生懸命頑張っていましたが、家族ができ、子供ができ、いろいろと勉強し、家族とも対話する事によって今はマイホームを買うのは先延ばしにし、資産を蓄えるという目標に変わった人もいます。

■積立投資と個人年金等で積立てていくのとでは何が違うの?

この話をしますと、多くの方の過去の決断を否定してしまう事になり、中には傷ついてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかしこの質問は本当に大事な事で、日本の問題でもありますので、ありのままを書かせて頂きます。もし回答を見て、「間違っていたな」と思われた方、リカバリはできますので安心して下さい。

「積立投資と個人年金保険等の違い」
利回りが圧倒的に違います。一般的な個人年金保険の利回りは35年積立てて、年0.2%ほどです。定期預金とほぼ変わりません。しかも途中で解約すればほぼ必ず元本割れ(損)します。個人年金保険で貯めるなら定期預金の方がいいくらいです。

それに比較してアメリカの株式市場のリターンは過去30年で年平均10%近くありました。

具体的に計算してみるとその差は一目瞭然です。

仮に今後、毎月1万円を35年間積立てたとすると、
元本は420万円に対して

個人年金保険や定期預金の場合 ⇒ 35年間で15万円増えます

株式投資信託に積立てし仮に毎年5%で運用できた場合 ⇒ 35年間で693万円増えます

差は圧倒的ですね。
現在は年金保険に限らず、学資保険や長期保険など、「将来返ってくる」タイプの保険は、総じて利回りが限りなく低いです。

しかし「預金と比較すると増えますよ」とおすすめされて加入されている方が非常に多くいらっしゃいます。ここに罠があります。

実は「将来返ってくる」タイプの保険は保険会社を通じて実質、投資信託等で資産運用しています。したがって、預金と比べるのではなく投資信託等と比べなければいけません。

保険だと将来返ってくる金額が保証されているから安心や、万が一の場合の保障が付いているから、という話もありますが

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Kが一の保障は掛け捨て保険で入った方が圧倒的に安い

上記を考慮すると保険で資産形成していく事は、今の市況を考えると、非効率的だと言わざるを得ません。

日本人は株や投資信託での運用には苦手意識を感じている方が大変多くいらっしゃいますが、8割の人が保険には入っています。しかしふたを開けてみると、実際は極端に利回りの低い投資信託を買っているのと同じ、という事なってしまっています。

20年〜30年以上前まではこの貯まるタイプの保険の利回りもまだ良かったので、保険で資産形成も不可能ではありませんでした。

その結果保険に入る方が増え、日本中に、「結婚したら長期保険」や「子供が生まれたら学資保険」といった「常識」が生まれました。

その常識が今もなお受け継がれており、また、保険会社も保険が売れなければ商売にならないので、他の資産運用とは決して比較提案をせず必ず預金と比較して保険の優位性を伝えてきます。
その結果、今の市況には合っていないにも関わらず多くの人が保険に入ります。

「株や投資信託の事はよくわからない」「投資は怖い」と言いながら保険を通して実質資産運用しているという矛盾を抱えた方が本当に多いです。

これは、日本人の資産形成を阻害している大変大きな問題だと痛感しています。
つまり保険に入っているせいで資産形成ができていない人が多いという事です。

■まとめ

参考になる質問と回答はありましたでしょうか。
日本人はお金の話をすることに抵抗感を持っている人が多いので、他の人のお金に関する疑問を知る機会もなかなか少ないかと思います。少しでも参考になれば幸いです。