東京メトロの銀座駅がリニューアルされました。「銀座らしさ」の演出や、3路線が集まり利用者も多い銀座駅を分かりやすくするために、地上、改札階、ホームそれぞれで「光」が活用されているのが特徴です。

ラインカラーのグラデーションが柔らかく照らす新・銀座駅

 リニューアルされた東京メトロ銀座駅が2020年10月15日(木)の終電後、報道陣へ公開されました。

 地下にいても地上を感じられる「銀座のまちの地下1階」がテーマで、日本有数の繁華街「銀座」らしい格式と上品さ、落ち着きのあるデザインが大きな特徴です。

 そこで大きな役割を果たしているのが「光」。柔らかい光による「銀座」らしい空間の演出に加え、機能的な面でも活用されています。


銀座線の「レモンイエロー」で照らされた銀座駅の地上出入口(2020年10月16日、恵 知仁撮影)。

 銀座線と日比谷線、丸ノ内線が集まり、東京メトロを代表する駅のひとつである銀座駅。

 そのうち銀座線の改札口に近い、銀座のランドマークである和光本館などが建つ銀座四丁目交差点付近の地上出入口は、銀座線のライン(路線)カラーであるレモンイエローでライトアップされています。今後、日比谷線のシルバーホワイト、丸ノ内線のチェリーレッドでライトアップした銀座駅の地上出入口も登場するそうです。

 そして、地下にある銀座線と日比谷線、丸ノ内線、それぞれの改札口とホームにある柱も、各線のラインカラーであるレモンイエロー、シルバーホワイト、チェリーレッドによる光のグラデーションで照らされ、そこがどの路線の改札口やホームなのか、分かりやすくされました。

新・銀座駅はホームから階段を登ったところにも「光」の仕掛け

 3路線が交わり、1日およそ26万人(2019年度)と多くの利用者がいる銀座駅。そのリニューアルにあたって、「乗り換えをよりわかりやすく」がひとつのポイントだったといいます。

 銀座駅のコンコースや改札口は、開業時期が古いため天井が低めですが、それもできる限り高くするなどして見通しを最大限確保。そして先述した「ラインカラーの光」で地上出入口や改札口、ホームを照らすことにより、直感的に進むべき道が分かるよう工夫したそうです。


チェリーレッドの丸ノ内線改札階。ホームから登ると地上が描かれたこの天井が見える(2020年10月16日、恵 知仁撮影)。

「銀座のまちの地下1階」がテーマである、今回の東京メトロ銀座駅リニューアル。ホームから地下1階の改札階に登ってくると、登り切ったところの天井に、その向こうにある地上の風景が描かれた階段も出現しています。この「天井に描かれた地上の風景」も、日中時間帯は青色が強くなり“空”がより印象的になるなど、やはり「光」による演出がポイントです。

 また銀座線ホームの線路側壁面には、1934(昭和9)年に開業して以来の「銀座駅の歴史」が描かれ、ライトアップされています。