森保監督の采配が見事的中し、オランダ遠征の最終戦を勝利で終えた。写真:龍フェルケル

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 欧州組のみで戦ったオランダ遠征の第2戦。森保ジャパンは、試合終了間際の植田直通の決勝ゴールで2020年の初勝利を収めた。

 試合は立ち上がりから日本が、右の伊東純也を中心に、サイドから再三クロスを入れて好機を創出。しかし、ゴール前の選手に合わずなかなか得点が奪えず。逆に相手のカウンターを受ける場面もあったが、最終ラインの4枚が冷静に対応し、失点を許さなかった。

 お互いに1点が遠く、このままスコアレスで決着かと思われた終了間際の90+1分。敵陣中央でFKを獲得すると、キッカーの柴崎岳が入れたクロスに、ファーサイドでフリーとなった植田が頭で合わせ、決勝ゴール。土壇場の得点で、日本が1−0の勝利を挙げた。

 試合後、森保一監督は相手の強さを認め、「押し込まれる時間があるのは仕方ない」としつつも、最後まで無失点に抑えた守備陣を称えた。

「相手も本当に力のあるチームで、最近コートジボワールはFIFAランク1位のベルギーと1−1の引き分けをつかみ取った。もちろんすべての時間で優位に進められればいいですけど、彼らも力があるので、攻め込まれる時間があっても仕方ないかなと。そこを無失点で粘り強く抑えられたことが良かったと思います」

 この試合では途中出場の選手が、ゲームの流れを変えた。61分から出場し果敢にボールを呼び込み、何度もシュートを放った南野拓実や、決勝ゴールを挙げた植田直通など、ベンチスタートの選手たちの働きも指揮官は称賛している。
 
「サブの選手の役割として、南野がチームに活力を与えてくれて良い働きをしてくれた。植田が決勝点を最後に決めてくれましたけど、彼は1試合目は出番がなかった。それでも練習からチームのために準備をしてくれて、今日も集中を切らすことなく最後まで戦ってくれたことがチームの勝利につながった。サブの選手の役割、途中から出てきた選手たちが仕事を全うしてくれたと思います」

 また、今回のオランダ遠征の収穫は、“2戦目のビルドアップ”と“守備の切り替え”であったと説明する。

「攻撃では1戦目はゴールキックからロングボールを前に入れることがありましたが、コートジボワール戦では、自陣からボールをつないで攻撃を仕掛けていくという部分、マイボールを大切にしながら攻めていこうということを良くやってくれた。守備では、切り替えてボールを奪いにいくところ、その切り替えを早くするということをこの2戦を通して選手たちはよくチャレンジしてくれたなと思います」

 今回の合宿で、求めていたことは「100パーセントではないですがある程度できた」と一定の評価をした森保監督。11月にはふたたび親善試合が組まれる予定だが、さらに連携を深め、ワールドカップ・アジア2次予選再開に備えたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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