エイダン・オブライエン師【写真:Getty Images】

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名門オブライエン厩舎の2歳牝馬2頭が入れ替わってレースに出走

 英競馬で珍事が起きた。現地時間9日の2歳牝馬のG1フィリーズマイル(英ニューマーケット、芝1600メートル)で、アイルランドのA・オブライエン厩舎の管理馬2頭が入れ替わって出走していたことが、レース後に判明。なぜ前代未聞の“事件”が起きたのか――。オブライエン師が事情を明かしている。英紙が報じている。

 問題となっているのは、フィリーズマイルに出走したA・オブライエン厩舎所属のディープインパクト産駒スノーフォールとマザーアースの2頭。どちらも同じ馬主の勝負服で、毛色も同じ(鹿毛)だった。

 スノーフォールは3着に入り、マザーアースは8着だったが、なんと両馬は逆だったことがレース後に判明。現地では騒ぎになっている。

 なぜこんなミスが起きたのか、英専門紙「レーシングポスト」が同師の弁を紹介。「1日中忙しかったのでレースをライブで見てはいなかった。ツイッターで気にしていた」「レースを聞いていて、リプレーを見た時に初めて気づいた。すぐに分かった」と話しているという。

 オブライエン師は現地にはおらず、リプレーを見て異変に気づいたという。

原因は新型コロナによる渡航制限で担当者がレースに同行できず

「すぐさまBHA(英国競馬統括機構)に連絡を取り、何が起きたかを知らせた。コロナウイルスによる制限で、我々のチームは英国に拠点を置いていた。通常、馬を見ている担当者たちが、レースに同行できなかったのが問題だった」

 オブライエン師によると、マザーアースは先週末のマルセルブサック賞のためにフランスに渡っており、当初はフィリーズマイルにはスノーフォールのみが出走予定だったという。

 それでも、名伯楽は「弁解の余地がない」と言い、「このようなことになり申し訳ないという以外に言葉がない」と謝罪しているという。

 なお現地の大手ブックメーカーでは、スノーフォール、マザーアースの両馬が3着だった馬券を両方的中とする特別措置を決めているという。(THE ANSWER編集部)