日本の警察留置所における取り調べの大きな特徴でしょう。殺人事件の取り調べでも、死体の写真を見せて「謝れ」と言ってみたり、線香でいぶしたりする。倫理的にお前は謝るべきだと迫りますが、これはもう事実を確認するための取り調べではありません。だから、こうした異常なことが起こります。もっといえば、公安事件型の捜査の場合、もう事件なんてどうでもよくて、その被疑者が活動から離れさせることが目的だったりします。「やめます」って言った瞬間に取り調べが終わって釈放されて終わりになります。


──非常に恣意(しい)的ですね。

 何十年も続いていることですね。しかし、すべての刑事事件でこのような取り調べが行われているわけではありません。普通の刑事事件で、なおかつ本人が事実を認めていれば、おだやかな取り調べのようです。取り調べに呼んでやるっていわれて行ったらカツ丼が出てきて、「ごくろうさん」って感じで雑談しながら、一緒に共同作業で調書をまとめているのが普通だと思います。しかし、こういった状況も変だし、本当に根掘り葉掘り聞いて、まったく無駄。欧米のように2時間きちっと尋問してテープに撮っておけば十分です。よくて無駄。悪くて人権侵害だから、やめてほうがいいのではないでしょうか。(つづく)

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