ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は10月7日、PlayStation 5(PS5)の実機を分解し、解説する映像をYouTubeで公開した。「静音性の実現に向けた機構の導入など、あらゆる方向から試行錯誤を重ねた結果と、これまで私たちが積み重ねてきた技術の結晶が美しく詰まっている様子をご覧いただける」という。

PlayStation 5(PS5)


公開されたPS5の分解映像では、本体の白いパネルを外して、両側から大量の空気を取り込む機構やダストキャッチャー、将来の拡張ストレージ用として搭載しているPCIe4.0に対応したM.2インタフェースのある場所を紹介。さらに分解を進めて、本体両側面に備えた大型ファンやUHD Blu-rayドライブをドライバーで外していき、その奥の基板にアクセスする様子なども映っている。



SIEのEVPで、ハードウェアエンジニアリング&オペレーション統括責任者の伊藤雅康氏は、PlayStation.Blogのブログ記事において「PlayStationのハードウェアを開発する上で、私たちのチームは考え抜かれた『美しい設計』を大事にしている。筐体を分解して開けたときに中が美しく整って見えるということは、部品点数も含めて設計に無駄がなく、結果として不良が少なく、高品質で完成度の高い製品であるということを意味する」とコメント。

分解されたPS5


PS5では「全く新しい次世代のゲーム体験」を提供するために、性能面の大幅な向上だけでなく、静音性や冷却性などあらゆる面において、これまで以上にバランスに気を配る必要があったという。

2015年にPS5の構想に着手して以来、SIEは約5年の時間をかけて次世代ゲーム機の設計・開発に取り組んできた。量産化の過程においては、新型コロナウイルス感染症の影響も受けたものの、「予定通り11月にPS5を発売できることを心から嬉しく思う」(伊藤氏)としている。



SIEでは、この映像はPS5の分解を推奨するものではなく、火災や感電、けがの原因となるため、分解や改造は行わないようアナウンスしている。PS5に分解や改造の痕跡があると、修理や交換を断る場合があるとのこと。ただし、PS5側面の白いパネルはユーザーが自分で外し、ホコリなどを掃除機などで清掃できる設計になっているようだ。