ホンダ初の電気自動車(EV)「ホンダe」が発売前に売り切れた。発売日は10月30日なのだが、ホームページには、販売予定台数に達したため注文を「一時停止」するとの文言が表示されている。確かにホンダeは魅力的なクルマだと思うのだが、なぜこうなった?

ホンダのEV「ホンダe」が発売前に売り切れた?


○増産したくてもできない理由

ホンダeはデザインを見ただけで欲しくなってしまう魅力的なEVだ。実際に乗ってみると、ボディサイズが小さくて小回りが利くので扱いやすく、電動だから当然だが車内は静かで快適。木のテーブルにタブレットが並んだような室内は先進的でありながら温かい雰囲気で、運転していて楽しくなるようなクルマだった。試乗記や動画が出そろう中で、ホンダeが欲しいと思う人も増えているのではないだろうか。ただ、すぐには買えないのが現状だ。

ホンダe」の価格は通常版が451万円、「Advance」というタイプが495万円


そもそもホンダは、日本におけるホンダeの販売目標を年間1,000台としていた。現時点では、そのうち「第1期分=初期ロット」(オーダー受付期間:8月27日から)の数百台が売り切れになっているそうだ。ホンダとしては、第1期分が売れるには2カ月くらいかかると想定していたそうだが、それが1週間ではけてしまったため驚いているという。

売れ行きがいいのなら、増産してどんどん販売すればよさそうなものだが、そうもいかないらしい。バッテリーをはじめ、ホンダeには他社と協力して開発したいろいろな部品が積んであるので、それらを調達できる量には限界があるのだという。また、ホンダとしては、環境規制の厳しい欧州にたくさんのホンダeを送らなければいけないだろうから、どうしても、日本への割り当ては少なってしまうのかもしれない。

クルマに限った話ではないが、部品がそろわなければ商品は作りたくても作れない


ホンダe第2期分の受注については、本来の発売日(10/30)あたりのタイミングで何らかのアナウンスがあるようだ。