竹内結子さん

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 9月27日に40歳の若さで亡くなった竹内結子さんの家族葬が30日、都内の斎場で営まれた。突然の悲報から3日。最愛の家族が見守る中、竹内さんは荼毘(だび)に付され、天国に旅立った。所属事務所は公式サイトで「永遠にかけがえのない大切な所属女優」と悼んだ。

 都会の喧噪(けんそう)から離れた住宅街。木々に囲まれた静かな場所。雲一つない抜けるような秋晴れの空。白い煙が風に揺られ上っていった。天国へ旅立った竹内さん。鳥のさえずりだけが聞こえた。

 無言の竹内さんが警視庁渋谷署から、この場所に程近い斎場に運ばれたのは9月27日午後。一時、激しい雨が降った。慌ただしく動く関係者の姿が、薄明かりの向こうにぼんやりと見えた。残された家族は遺体に付き添い、その日も翌日も自宅に帰らず、独り旅立つことを選んだ竹内さんと1秒でも長く一緒に過ごそうとしているようだった。葬儀が営まれたとみられる29日は、ちぎれ雲が空を覆っていた。

 竹内さんの代表作が、心に傷を負った女性刑事を演じたドラマ「ストロベリーナイト」。劇場版では、晴れたら撮影中止という前代未聞の制作現場で全編が雨のシーン。毎日ずぶ濡れで演じた。完成した時、竹内さんは「ワンシーンだけ晴れているところがあるので、そこを探してみてください」と言った。

 竹内さんが亡くなってから、初めて強い日差しが降り注いだこの日の午前8時半すぎ。斎場からの出棺。家族は遺影を胸に抱き、位牌を両手でしっかりつかむ。近親者が静かに棺を黒の搬送車へ運んだ。車が静かに動きだすと、近親者を乗せたバスも続いた。

 秋風が吹いていた。女優一筋で活躍した竹内さんだが、歌を1曲だけ残している。98年発表の「ただ風は吹くから」

 ♪この坂道の向こうへ 歩いて行こう 明日へと続く 風は吹くから――。空はどこまでも青かった。