先延ばし癖をなくす方法とは?(写真:kotoru/PIXTA)

今年の夏もあっという間に過ぎ、2020年もあと3カ月ちょっとで終わろうとしています。今年ほどの年初の想定と違った1年を誰も経験したことがなかったでしょう。新型コロナウイルスをきっかけとして、通勤・通学、外食、飲み会、旅行など、今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前にできなくなる経験を誰もがしています。

そんな中、考えさせられることが多くあったと思います。私自身もそうですし、私のコーチング・セミナーに来る人の中にも、これからの未来に不安を感じている人が増えたように思います。実際、この数カ月は、

・本当に自分の人生はこのままでいいのか
・何から、どこから変えていけばいいのかわからない
・状況の変化に振り回されっぱなしで、やりたいことになかなか着手できない

という声も耳にしました。仕事やライフスタイルが刻々と変化していく中で、「このままではまずい。けれど、どうやって変えていったらいいかわからない」というモヤモヤを抱えている人が増えているのです。

そのモヤモヤというのは、「自分が本当に大切にしたいこと」や、「ずっとやりたいと思っているのにできていないこと」に対する焦りや不安なのだと思います。そして、いつ何が自分の身に起こるかわからないという事実に直面し、多くの人が「自分の人生を後悔したくない」「何となく過ごすような毎日を過ごしていたくない」と本気で感じているのではないでしょうか。これまで先延ばしにしていた大切なことを、本気で実行するときが来たとも言えるのです。

先延ばしにしていいものとしてはいけないもの

私は目標実現の専門家としてこれまで1万人以上の方々の夢やビジョンの加速実現をサポートしてきました。その中にはオリンピックに出場したトップアスリートや、世界で活躍するトップモデル、次世代を担う経営者、ベストセラー作家などがいます。こうした人たちのメンタル面をサポートしてきたことで得たさまざまな知見や、最新の脳科学・アドラー心理学などをベースに、仕事の先延ばしに悩む人たちのサポートをしてきました。

多くの人がよく勘違いしていることがあります。それは先延ばしの本当の意味です。私がいう先延ばしとは、「あなたにとって重要な仕事・価値あることを後回しにすること」を指します。ですので、「重要でないこと=些末なこと」を先送りするのは、「先延ばし」ではありません。

例えば、勤務時間中のネットサーフィン、ダラダラ休憩、ダイレクトメールを読むなど、重要でないことは、周囲に迷惑をかけないかぎりどんどん後回しにしたほうがいいのです。あなたにとって、重要でない仕事を後回しにしても何ら問題はないのです。

一方で、飛び込み営業対応、誰も見ない報告書作成、目的が不明確な会議など、「緊急だけど重要じゃないこと」ばかりしている人は、「先延ばし」をしているといえます。なぜならあなたにとって重要なこと(=先延ばしすると自分の人生や、仕事に重大な損失が生じること)を先送りしている可能性があるからです。それこそが、先延ばしなのです。

先延ばししがちな人の特徴

ただ「緊急かつ重要なこと」を先延ばしする人は、少ないでしょう。なぜなら、これをやると自分もツラいですし、人にも迷惑をかけます。なにより後処理が大変になるだけですから、先延ばししにくい問題かと思います。例えば、顧客からのクレーム対応や締め切り直前の仕事などがこれにあたります。


一方で、「緊急じゃないけれど重要なこと」がまさに先延ばしの対象になる、ついつい後回しにしてしまいがちなものです。例えば、生産性の高い仕事をするための仕組みづくり、業務の見直しと改善、人脈づくり、後輩の育成や指導、健康管理。専門性を高めるための勉強やキャリアアップのための資格取得。やりたい仕事の計画や準備などです。

どうでもいいことは先延ばししてもいい。ただしあなたの人生で本当に重要なことを先延ばししてはいけないのです。 

「緊急じゃないが重要なこと」を先延ばしする人の多くは、次の4つのタイプのいずれかに当てはまると思います。あるいは、この4つの掛け合わせかもしれません。それゆえ、先延ばしを撃退することは非常に複雑で難しく、解決するのすら面倒くさいと考えてしまうのです。

1. 「あれもこれも」タイプ

とにかく、やりたいことや予定がいっぱいあります。やる気も行動力もないわけではないのですが、優先順位がつけられないのです。タスクがありすぎて、どこから手をつけていいかわからないので、全部に手をつけようとします。

何もやっていないわけではないのですが、結果的に、たくさん動いているわりには、大事なことを先延ばししてしまい、望むような結果がでません。体力を消耗するだけで成果があまり得られないで終わってしまい、徒労感がほかのタイプに比べて段違いのタイプです。

2. 不安先行タイプ

チャレンジしたい気持ちがあっても、「失敗したらどうしよう」「バカにされたらどうしよう」「誰も協力してくれなかったら……」など、うまくいかないイメージが先行します。絶対失敗しない対策を考えているうちに、やる気が萎えてあきらめてしまいます。結局何もしないまま終わってしまうので、自分の自信もなくなってしまうのです。

3. 自信不足タイプ

「実績(前例・経験)がないから無理」「自分には才能がないからどうせやっても無駄」「ちゃんと調べてから」「きちんと準備してから」といった口癖があったりします。自分に自信がない、または自分の仕事に自信が持てないことが多いです。誰かが背中を押してくれたり、オファーしてくれるのを待っています。そうした人がつねにいるわけではないので、結局のところ、何もせずに終わってしまうのでますます自信は持てないままです。

4. 時間不足タイプ

「ほかの仕事の締め切りで忙しい」「まとまった時間がとれたら」などと言っているうちに、時間だけが過ぎていきます。「やるべきこと」を優先するあまり、「本当にやりたいこと」に使える時間が、後回しになっています。

先延ばしをなくすには?

みな等しく言えることは、どのタイプの人も、先延ばしによるデメリットでつらい思いをされてきているということです。ただ、どのタイプの人であったとしても、あなたの先延ばし癖をなくす、とっておきの方法があります。それが「ぶっとんだ目標」を立てること、それだけでいいのです。

ぶっとんだ目標とは、あなた自身で立てた目標であり、主体的に自分軸にそった目標のことを指します。今の現実はいったん棚上げしておいて出てくる、魅力的であなたが実際にそうなりたいと思う目標です。それがあるだけで、人生を変えることができるのです。

たとえば、
・家族と年に1度は1泊2日の旅行に行く
・新しい価値を生み出す企画を提案する
・人事のプロになる

――などです。どうでしょうか。人によっては、「こんなものか」と思うかもしれません。しかしそれでよいのです。個人によって感じることは異なっていてもよいのです。ぶっとんだ目標とは他の人から見てすごいものである必要はないし、達成が困難なものでもありません。 自分にとって、ちょっと背伸びして届くか届かないかくらいのレベルで設定してみてください。

私もかつては「ぶっとんだ目標」を持たなかった1人です。会社員時代の私を知っている人からは、「大平くん、変わったね〜。正直、同じ人とは思えないくらいイキイキしているよ」と言われることがあります。確かに自分でもびっくりするくらい当時の私と今の私は違うと思います。

今でこそ、目標実現の専門家として仕事をしている私ですが、10年前の私は「先延ばし人間」の典型でした。どうでもいい仕事は最速で終わらせるのに、肝心の仕事は先延ばし。いつも時間に追われ、やっつけ仕事でなんとか乗り切る。そんな自分を見てがっかりし、さらに先延ばしをする。そんな悪循環をずっと繰り返していました。


そんな私が「プロコーチになって、夢や目標に挑戦する人の応援をする!!」という、当時の私にしては清水の舞台から飛び降りるくらいのぶっとんだ目標を立てたことから、すべては変わりました。ダメダメだった私ですが、現在では「自分にしかできない仕事に全力で取り組む。そして、かけがえのない、2度とこない子どもたちとの時間を大事にする」ことができています。

ぶっとんだ目標はあなたの行動に力を与えます。ぶっとんだ目標という北極星を見つけてください。きっとあなたの中には無数の輝きがあるはずです。壮大な航海をするにあたって、目的地や行く先を決めずに港を出る船はありません。そうはいっても私たちはもう人生という大きな海を進んでいる途中です。それもかつてないうねりを見せ始めている海を、です。

今こそ、ぶっとんだ目標があるか、その目標があなたの心を震わし、ワクワクして目が輝くような目標かどうか、考えてみてください。