これまでにもクラウス・アロフス氏のデュッセルドルフ復帰は、幾度となく憶測として浮上しつづけてきた。そして遂にそれが先週末に実現、月曜日には正式に取締役会入閣の会見が行われている。

 1970年代から80年代に渡ったデュッセルドルフの栄光の時代、アロフス氏は1979年と85年でブンデスリーガ得点王へと輝き、UEFAカップウィナーズカップ準優勝。代表選手としてもユーロ1980の優勝メンバーに名を連ねた過去を持つ。

 そんなアロフス氏は確実に、これからデュッセルドルフの顔となっていくことだろうが、あくまでチーム全体で実りある協力の必要性を説いた。「私はチームプレイヤーであり、自分を前面に押し出すようなことは決してしない。ただ確実にそれを防ぐことはできないだろうがね(笑」

 今回の決断については、長年の友人であり、ヴォルフスブルク時代に共に仕事をした仲間でもある、トーマス・レットガーマン代表取締役らとの話し合いの末に「今こそ、ホームに戻るべきだと考えた」とコメント。

 かつてそのヴォルフスブルクや、ブレーメンでは競技部門代表としても、輝かしいキャリアを重ねてきた同氏は、今はフォルトゥナが秘めるその可能性を呼び覚ますためのアイデアを集め、戦略を練っていくべきだと指摘する。

 そのためクラブ自体の評価については、まずは状況を正確に把握することを優先し明言を避けたものの、何より「デュッセルドルフのようなクラブはブンデスリーガの舞台でプレーしなくてはならない」と、ブンデス1部復帰へ強い意欲をみせた。

 その一方でこれまで競技部門代表を務めていたウーヴェ・クライン氏の職務範囲への侵食は否定しており、「彼は非常に良い仕事をしてきたし、今も2人で一緒に取り組んでいる」と述べ、「これからもチームの近くに止まり、プロ選手から若手に至るまでの競技部門代表」との考えを強調している。