飲み会で「内輪ネタ」に走ってしまう本当の理由

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新しく入社した人の歓迎会。本当は新しい人を中心にみんなで交流を深める会にしたかったのだけれど、内輪ネタばかりで周りが盛り上がってしまった。「うっ、新入社員だけ置いてけぼりで罪悪感……」。

友達が彼氏を連れてきた。話を振りたかったけど、仲間の内輪ネタでつい盛り上がってしまった……。恋人さんのこと、ほとんど分からず解散。「これでよかったのかな……」。

これは、女性が経験する2大「内輪ネタ」問題じゃないでしょうか。私はどちらも内輪ネタで盛り上がる加害者側だったことがあり、書きながらも申し訳ない気持ちでいっぱいです……。

そこで、今回はその中でも特に気まずい会社の内輪ネタ対処法を書いていきたいと思います。いや、ほんと、招いた側が気を使えよって話なんですけどね……。

■そもそも内輪ネタを楽しいと思っている人が多いのか?

結論から申し上げましょう。内輪ネタは楽しいです。なぜならそこには「鉄板ネタ」があるからです。

長年一緒に過ごすことで培われた、「これさえ言えば笑いが取れる」ストーリーは、そのコミュニティの中では壊れることがありません。全く同じ話題で1年後も、10年後も笑いが取れる。だったら内輪ネタを延々回した方がラクに決まっています。

特に、あまり仲良くない相手とは内輪ネタを使いたくなります。なぜなら、「最近何をしているか」が分からないからです。

下手に「そういえばお子さんが欲しいっておっしゃってましたよね」なんて近況を掘り下げて、「実は、半年前に流産しまして……」なんてしんどい近況を知ってしまうかもしれない。

そういう気まずさのリスクから逃げたければ、前と全く同じ内輪ネタを回している方がラク。内輪ネタとは、新しいコミュニケーションからの逃避なのです。

■内輪ネタを話してしまう理由

内輪ネタを話すのは、「無難なコミュニケーション」という難易度の高いやり取りが怖いからです。内輪ネタを延々繰り返すグループに共通するのは、みんな人見知りだということ。

新参者のあなたへ、休みは何をしているのか、それがどんなきっかけでハマったのか、幼少期はどんなふうに過ごしていたのか……なんて気の利いた話題をポンポン振れる人は、内輪ネタになんかに逃げません。

新しい人を歓迎するシーンですら内輪ネタに走ってしまう時は、得てして「あなたと会話するより、その他大勢が笑ってくれる無難な話題」に逃げたいからです。

あなたに冷たくしたいわけでも、変な感情があるわけでもありません。ただ、初対面で気まずいムードを作るのが怖いのです。

■受け入れる側が、内輪ネタから軌道修正するには

本来、内輪ネタは「楽しいけれど、不親切なもの」です。特に事情を知らない人がその場にいるなら、ビジネスマナー上は内輪ネタを控えるべき。とはいえ、そのマナーが徹底できる会社ってそんなに無いのも事実。

なので、ここからは、もし内輪ネタが始まってしまった時、新しい人を迎え入れるためにできることを書いていきます。

◇(1)内輪の人と知り合った経緯を聞く

「で、この会社に入ったのは〇〇さん経由なんですよね。〇〇さんとはどんな仲だったんですか?」

「そういえば、〇〇さんって△△さんと知り合ったのはどこ経由?」

など、内輪に入るきっかけを掘り起こすことで、内輪ネタから卒業しましょう。内輪の人と新しい人の関係なら、みんなが興味を持てる話題になります。内輪から外野の中間にあたる話題で、上手に話を転換させてください。

◇(2)新しい人の「解説者」となる

上司が内輪ネタに走っている時など、軌道修正しづらいシーンでは、新しい人の横で「今話題に出ている△△さんは、コールセンター部門の長で、社歴が長くって前から靴下を脱いで仕事するのが有名だからネタになってて……」と解説役を買って出ましょう。

少しでも新しく入った方の疎外感を減らす配慮です。

◇(3)席替えを提案する

「みんな、〇〇さんと話すために席替えしませんか?」と提案することで、話題を一度リセットさせましょう。新しく隣に座った人は、新しい話題を振らざるを得なくなるため、内輪ネタを強制的に卒業させられます。

■それでも、内輪ネタを話したい時のコツ

とはいえ、飲み会自体が少ないのだから仲間と内輪ネタも話したい! そんな時におすすめの2つのメソッドもお伝えしておきます。

◇(1)小さなグループに分ける

飲み会を小さなグループに分けてしまえば、新しい人が入っているグループ以外は内輪ネタで盛り上がっても許されます。新しく来た人は順番にテーブルを動けるようにして、本来の目的を忘れないようにもご配慮を。

◇(2)新しい人向けの話題も1:1の割合で入れる

歓迎会では内輪ネタそのものが禁止されているのではありません。「内輪ネタばかり続ける」ことがマナー違反なのです。

内輪ネタでひとしきり盛り上がったら、次に新しい人へ質問をするなど、バランスを意識してください。

内輪ネタを振り過ぎないことが成熟の証

内輪ネタは、楽しい。それは事実です。ですが、そこで新しい人を歓迎し「内輪」へ入れることこそ、コミュニティが成熟している証。特にアラサーを超えたなら、内輪ネタばかりで盛り上がらず、新しい人を歓迎する配慮を見せたいものです。

もし仲間で話し足りないなら、続きは個別開催の2次会で。新しい仲間が定着できるよう、サポートしてあげてくださいね。

(トイアンナ)

※画像はイメージです