今、世界中で巻き起こっている「大坂なおみフィーバー」。その人気は、彼女がテニス界のスーパースターであることや、二度もグランドスラムで優勝したからという理由だけではないみたい。

2020年の全米オープンで、「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」の活動を支持するメッセージを全世界に向けて示した大坂選手。

トレイボン・マーティンやジョージ・フロイド、ブレオナ・テイラーなど、犠牲者の名前が書かれたマスクを着用して試合に出場したことで、多くの人が彼女へ称賛の声を送りました。

「私は今アメリカで起こっていることを、多くの人に伝える義務があると感じていました」

また言うまでもなく、大坂選手のテニスの実力は本物! テニス未経験の父親から教育を受け、2018年の全米オープンでは、あのセリーナ・ウィリアムズを破り偉業を成し遂げることに。そこで今回は、選手人生だけでなく、私生活もサポートしてくれる大坂選手の家族を紹介します。

両親はハイチ系アメリカ人と日本人

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Flying around with the family in Haiti 🇭🇹

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ハイチ系アメリカ人のレオナルド・フランソワさんと、日本人の大坂環(たまき)さんの間に生まれた大坂選手。3歳まで日本で、そしてその後はアメリカで育った大坂選手だけれど、「アメリカにいるのは人生の一部に過ぎない」と次のようにコメント。

「私は必ずしも、自分をアメリカ人だとは思っていません。簡単に定義することは難しいです」

けれど大坂選手は、両親から受け継いできたルーツに喜びを感じていて、2018年のインタビューでは、日本やハイチの愛を語ったことも。

「私は、日本文化のすべてが好きです。それはハイチに対しても同じです。ハイチ人は本当にポジティブで、友人のためなら何でもするくらい心が広いんです。私はその国民性がとても大好きで、父の家族がそのような背景をもっていることを本当にうれしく思います」

日本の大学に通うレオナルドさんと出会い、何年にもわたって交際を続けていた環さんでしたが、レオナルドさんとの交際を知ってからというもの約 約10年半もの間、家族が口を利いてくれなくなってしまったそう。

そして大阪府で生まれた大坂なおみ選手が3歳のときに、レオナルドさんの家族と暮らすため、アメリカ・ニューヨーク州のロングアイランドへと移住することに。長い間、環さんの家族とは疎遠になっていたものの、2008年には円満に和解できたとのこと。

また大坂選手の両親は、もちろん娘の一番のファン! 2018年の全米オープンでセリーナ・ウィリアムズに勝利したときは、環さんがいる場所へとすぐさま駆け寄って熱く抱き合った大坂選手。その姿は、世界中の涙を誘う瞬間に…。

姉もテニスプレイヤー!

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Happy birthday to THE BEST LIL SIS IN THE WORLD I LOVE YA

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実は大坂なおみ選手の姉まりさんも、同じくテニスプレーヤーなんだとか! 姉妹でテニスプレイヤーとして活躍していることから、同じく姉妹でテニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズ&ビーナス・ウィリアムズと比較されることも多いよう。

姉のまりさんは現在世界ランク350位で、大坂選手を刺激してくれる存在とのこと。また、一緒にダブルスでプレーしたり、コートの外でも親友のように仲が良いみたい♡

そんな二人は、全米オープンの前にチャリティマスクをプロデュース。すべての収益を、ユニセフの新型コロナウイルス対策活動に寄付するという、素晴らしいチャリティ活動も話題に。

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Eyyyyyy you already know big sis @mari.osaka and I had to come back with another mask and all proceeds are going to @UNICEF’s COVID-19 relief efforts. So if anyone needs a new mask right now this is a vibe. Not that I’m biased or anything like that 👉🏾😖👈🏾 (UPDATE : well ummm you guys sold it out so now there aren’t anymore)

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父がコーチを務めたことも

幼い頃の大坂選手のコーチを務めたのは、父であるレオナルドさん。実はテニス未経験だったというから驚き。

レオナルドさんは、セリーナの父親リチャード・ウィリアムズの指導法に従ってビデオを見て、娘たちに1日に何千ものボールを打たせこともあったそう。そして大坂選手の家族は、練習に力を注ぐためアメリカ・フロリダ州へと引っ越すことに。その後もレオナルドさんからの熱心な指導を受け、時間を共に過ごしてきたんだとか。

また、アメリカで育った大坂選手を日本代表にしたしたのも彼女の両親。けれど同時に、アメリカ市民権を手放すことに。

「私たちは、早い段階からなおみを日本の代表にすることを決めていました。彼女は大阪で生まれ、日本とハイチの文化の中で育ちました。簡単に言えば、なおみとまりには日本人らしさが根付いていたので、日本の代表になることが自然でした。これは、金銭的な理由でもなく、連盟によって決断を左右されたことでもありません」

さらに大坂選手は、2019年に当時コーチだったジャーメイン・ジェンキンスとの関係を解消。そして再び父のレオナルドさんが、一時的に彼女のコーチをすることに。

当時、別のコーチを迎えるつもりだったそうだけど、大坂選手は父にコーチをしてもらうことを次のようにコメント。

「父がコーチをするなんて…! コートでの父の指導がどんなものか知っていますか? 父はベンチに駆け寄って、私に『落ち着いて!』って話しかけるだけ。なにかの戦術を伝えてくるわけでもないんです。だから私は父に怒っていました(笑)」

一方で、「父は、私の意志を尊重してくれます。私は集中すると周りが見えなくなるので、少し体制を整える必要があると思っています。第三者からの指導やアドバイスが必要な気がしますね」とコメント。

パワフルで魅力的な大坂なおみ選手にとって、テニスプレイヤーとしても一人の人間としても欠かせない家族という存在。今後どんな活躍を見せてくれるのか、ますます楽しみですね。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: ARISA ISHIMOTO

marie craire