主演の堺雅人

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「視聴率が下がるのでまかりならん」

 ドラマ「半沢直樹」(TBS系)の最終回を前にした9月20日、TBSは突如として続編の全話をネット配信で公開すると発表した。これまで半沢シリーズは、他のドラマと違って放送日に見逃してしまえば、ネットで見ることもできない番組として知られる。なぜこれまで配信されなかったのか。その背景には「芸能界のドン」の存在があるという。

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 これまでネット配信されなかった理由を追うと、主演の堺雅人が所属する大手芸能プロダクション・田辺エージェンシーの代表を務める田邊昭知氏の影がチラつく。

「TBSが配信を打診したところ、視聴率が下がるのでまかりならんと田邊氏が主張して、首を縦に振らなかったと聞いています」

主演の堺雅人

 とは、さるTBS関係者。

「この7月から、社内では主にネット配信事業を担うDXビジネス局という部署が立ち上がり、半沢を目玉にしようと意気込んでいました。ところが、田邊氏の意向を忖度した役員たちはネット配信を見送ってしまった。結果、視聴者から“なぜ配信しないのか”という抗議や要望が局に殺到したこともあって、もはや視聴率に影響のない最終回直前というタイミングで、配信を解禁したのです」

 それでも、ドンには最大限気を遣っているとして話をこう継ぐ。

「有料配信チャンネルの会員を増やせるビジネスチャンスなのに、TBSは大々的に告知していません。テレビ上では、第9話の最後に数秒間、配信開始のお知らせを流しただけです」

初回から端役で出演した夏目三久

続編を“人質”に夏目三久の番組を存続

 視聴者の方を向かず、新規ビジネスの芽をも潰して“ドンに土下座”するに等しい醜態を半沢が見れば、TBSを叱り飛ばすに違いない。真相を確認すべく、田邊氏を電話で直撃すると、

「ネット配信の権限はTBSにある。お任せしていますから、僕がコントロールしているわけじゃないし、僕たちのビジネスじゃないんで。やりたいならどうぞ。やめて貰う理由なんてどこにもないもの。じゃ、そういうことなんで」

 そう煙に巻くばかりだが、TBSがここまで田邊氏に忖度するのにはワケがある。

 スポーツ紙の芸能担当記者によれば、

「半沢続編が7年もかかったのは、田邊氏がTBSに許可をなかなか与えなかったから。背景には、田辺エージェンシーに所属する夏目三久が担当する『あさチャン!』の存在がある。視聴率低迷が続き、常に改編の対象なのに、TBSは打ち切らせたくない田辺サイドに、半沢続編を人質に取られていた。ドラマも大団円を迎えることで、ようやく他局に負けていた朝番組に改編のメスを入れることができる。それまで田邊氏の機嫌を損ねてはマズイのです」

 付言すると、そんなドンは周囲に、「俺が7年も空白期間を引っ張ったから、ファンの飢餓感が増して、今回のヒットになった」と自慢しているという。制作の舞台裏を覗けば、ドラマ同様「大人の事情」に溢れていたが、最終回を迎えて泣く或いは笑うのは、いったい誰になるのだろうか。

「週刊新潮」2020年10月1日号 掲載