スイス・ローザンヌで、スイス最大政党、ポピュリストの右派国民党(SVP)のスタンドに集まった人(2020年9月13日撮影、資料写真)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP

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【AFP=時事】スイスで27日、複数の国民投票が行われ、欧州連合(EU)諸国からの移民を急激に減らすかの是非を問う投票は否決された。一方、父親に有給の育児休暇を導入する案は可決され、同国史上初めて父親への育児休暇を認めることとなった。複数の投票結果予測が示した。

 世論調査機関のgfs.bernが投票が締め切られた同日正午(日本時間午後7時)すぎに発表した予測によると、スイスとEU諸国との人の移動の自由を定めた協定の破棄の是非を問う投票に、投票者の63%が反対票を投じた。協定破棄の案はスイス最大政党、ポピュリストの右派国民党(SVP)が主導。スイス憲法を改変し、自国の移民政策を自律的に実施できるようにするよう呼び掛けた。しかしEUとの全体的な関係悪化を恐れた政府や議会、労働組合、雇用者団体、他の全政党から反対を受けていた。

 最近の世論調査でも同案への支持は低下していたが、SVPはEUとの関係強化に反対する闘いで予想外の成果を残した過去があり、国民投票の結果は読めない状況となっていた。

 父親に有給の育児休暇を認めるかの是非を問う国民投票では、予想通り賛成多数で可決された。スイスは家族の形態や性別による役割の面でかなり因習的だと考えられており、育児休暇においては欧州の他の多くの国に比べて依然として後れを取っているため、今回の結果は同国において大きな変化とみられている。

 スイスは1971年まで女性の参政権を認めず、2005年に初めて母親への14週間の有給育児休暇を導入した。今回の結果を受け、父親も子どもの出生後2週間の有給の育児休暇を取得できるようになる。

【翻訳編集】AFPBB News

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