しらけムードが東京五輪に影響するかもしれない…。

 来年3月7日に開催が予定されている東京マラソンで、主催者団体が来年秋への開催順延を検討していることが判明。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、関係者は対応に追われているわけだが、一方で「本当にできるのか?」といった声も上がっている。

「本来なら8月中に、開催要項をまとめるはずでした。しかし、政府のイベント開催制限における緩和通達が遅れ、主催者も協議を先送りしてきたのです」(スポーツ協会担当記者)

 そもそも来年の東京マラソンは、時期的に東京五輪の試金石となるはずだった。五輪に出場する選手からすると、本番を見据えた最終調整の場となるからだ。

 現時点で、海外トップ選手の参加は決まっていないが、国内外の選手の検査や検温はもちろん、大勢の選手を“3密状態”にさせずに誘導できるかなど、五輪を前にコロナ対策を試す場となるはずだった。

「最大の問題は、沿道から応援する観戦者です。この春は一般ランナーの参加を認めず、ファンに観戦自粛を呼び掛けましたが、それでも沿道には、例年の1割程度となる約7万人が押し寄せました」(同・記者)

 だが、主催者側は改善策の協議に集中できそうもない。というのも、今年6月末までの1年間の決算が発表され、何と約9000万円もの黒字が出ていたことが分かったのだ。

 今年3月の同大会で一般参加が中止となった際、前払いした参加費については「返金なし」の措置が取られた。主催側は警備、人件費など中止になっても消えていく必要経費を説明していたが、黒字であれば「返してくれ」という議論も再熱しかねない。 「主催者側は中止になった場合などを想定し、返金に応じるためのイベント保険に入っていました。ですが、コロナ感染に対応できない不十分なものだったようです」(マラソン関係者)

 コロナの影響で、東京マラソンへの関心はかなり低い。問題山積ならば「いっそ、やめれば?」の声が聞こえてくるだろう。