エンタメ界の“ヒール役”1位に選ばれた坂上忍(C)ORICON NewS inc.

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 バラエティでは、激論を交わして番組を盛り上げるための“ヒール役”が存在する。ツイッターやYouTubeなどのネット上でも、その役割を担い時に炎上や批判の対象になるケースも。お茶の間をにぎわせるための“ヒール役”は今や番組コンテンツには必要不可欠とも言える。ORICON NEWSでは10代〜50代の男女に今のエンタメ界における“ヒール役”は誰かを調査。その結果、自身のMC番組やバラエティ等で辛口コメントも目立つ【坂上忍】が1位となった。

【ランキング表】芸能界の “ご意見番”やアノ炎上常連タレントもランクイン

■番組MCでの毒舌発言と動物を愛する一面のギャップ

 現在メインMCは3本を務めている【坂上忍】が1位に。特に2015年から総合MCを務めている『バイキング』(フジテレビ系)では、新型コロナウイルス関連ネタから芸能人の不倫まで時事ネタについて、舌鋒鋭く切り込んで、その手腕を遺憾なく発揮してきた。10月改編から『バイキングMORE』として約3時間の生放送に拡大することも決まり、辛口具合もさらにパワーアップするはず。

 『ダウンタウンなう』(同局系)では「本音でハシゴ酒」ナビゲーターとして出演。ゲストの本音やなかなか聞けない話に切り込み、番組を盛り上げている坂上。思わずヒートアップした際の口調が強いことへ嫌悪感を抱く視聴者も多いようだが、大の犬好きで自宅で多頭飼育をしているなどペットへの思いも強く、冠番組には『坂上どうぶつ王国』(同局系)もあり、情報番組等で見せる姿とのギャップも人気となっている。

 俳優から見事にMCへと活動のフィールドを広げた坂上に、それだけに「いつも機嫌が悪そうな顔をしているせいか、そういうキャラクターに見えてしまうところもありますが、あえてヒール役を買って出ているところがありそう」(長野県/40代・女性)というヒールを“演じる”部分を見抜いたという意見が多かった。

 また、躊躇なく意見をはっきり主張する姿に「言いたいことを言っているようだが正しいことが多い気がする」(高知県/30代・女性)、「頭の回転の速い人だから、発言の責任を取れる範囲でコメントしていると思う」(兵庫県/50代・男性)と信頼も受けている。子役からの芸能活動が長い故に、先回りして場を盛り上げる発言をしているとの見られ方をしているようだ。

■『水ダウ』やTwitterの影響大、視聴者が望む“クロちゃん像”を体現している?

 2位は、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のドッキリ企画はおなじみになった【クロちゃん(安田大サーカス)】。「モンスターハウス」、「モンスターアイドル」など参加女性を口説こうと都合のいい話ばかりをするクズっぷりで視聴者をドン引きさせてきた。

 さらに、Twitterでの発言等から「嘘つきキャラ」「クズキャラ」が定着し、他の芸人とは一線を画す形で再ブレイク。以前インタビューではTwitterでの発言について、ツイートを訂正しないのは「学がないと思われたくないから」など独自理論を披露。自宅にも何度となくドッキリを仕掛けられ、その生き方は“リアル『トゥルーマンショー』”とも呼ぶべき、個性を発揮してきた。

 そんなクロちゃんに「突き抜けたクズキャラだけどあそこまでいくと面白い」(滋賀県/30代・女性)、「Twitterを見ているとよく炎上しているイメージがあるから」(埼玉県/30代・男性)と30代では1位に。

 ユーザーからは「ヒールキャラを貫いているところが逆にすごいと思う」(神奈川県/40代・女性)、「好かれていないという設定でやっているが、案外アイドルには嫌われていないというのがわかる」(千葉県/40代・男性)という声も。クロちゃんに持つ視聴者のイメージを体現し、とことん“汚れ役”を全うしているのかもしれない。

■お笑い芸人でありながら政治的スタンスもアグレッシブに発信

 3位にランクインしたのは、政治関連の話題などでTwitter発言が度々炎上するウーマンラッシュアワーの【村本大輔】。Twitterについて自身は「炎上したら広がる。広がったら考える人が増える」と言っており、これには賛否あるものの、現代ならではのさまざまな人が議論を深めていくための問題提起の一助にもなっている。早口でまくしたてる漫才にも時事ネタを巧みに織り込むなど、芸人の中でも異彩を放った存在となっている。

 そんな村本に「いろんなところに噛みついているイメージが先行しているけど、色々と計算した上で発言しているんだろうなと思える節があるから。また、嫌われるならとことん嫌われてやろうという姿勢が私は好きです」(神奈川県/40代・男性)と世代別で40代、50代から支持では1位に。

 また「世間で話題になったことに、いつも真逆の、しかも可能な限りの感じ悪さでコメントを出す姿勢に炎上芸人としての覚悟(?)みたいなものを感じます」(群馬県/50代・女性)、「当たり前に見過ごされる事にツイッターで一言チクリと皮肉をつぶいやいて、偽悪的にふるまっているので」(岐阜県/30代・男性)との見方もあった。

■ヒール役もカワイイ!? 芸能界の “ご意見番”や炎上常連タレントもランクイン

 TOP10を振り返ると、【上沼恵美子】や【梅沢富美男】といった、ORICON NEWSで発表している「ご意見番」ランキングに登場する面々も多数ランクイン。6位の上沼は近年の『M‐1グランプリ』やキングコング・梶原雄太との一件で“関西の女帝”というような見られ方をしているが、視聴者の意見を見てみるとそれだけではないようだ。「口うるさいけどあえてそういうことをしているイメージ」(埼玉県/30代・女性)、「実際は人情味があるが、あえて厳しい態度をとることで様々な気づきを与えているため」(埼玉県/20代・男性)と上沼の言動の奥にある心境を察した声も多かった。

 『バラいろダンディ』(TOKYO MX)の一言居士ぶりも人気の梅沢は9位に。『プレバト!!』(TBS系)でのダウンタウン・浜田雅功や俳人の夏井いつき氏とのやりとりも好評。「あえてヒール役を買って出て、番組を面白くしていると思うから」(神奈川県/20代・女性)、「プレバトを見ていると、俺がこの番組を支えてるんだぞ! と自信たっぷりにふるまっているのが面白い」(京都府/40代・女性)との声も。若年層から「かわいい」と思われるチャーミングな一面もあり、厳しさだけではなく“ヒール役”を演じていると思われている。

 上沼、梅沢と同じく7位の【高嶋ちさ子】も、いまや「ご意見番」としてメディアに取り上げられることが多い一人。『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日系)での発言がネットニュースになることも。数多い武勇伝の中でも、子どものゲーム機を折ったというエピソードは、まさに「ダークヒーロー」「ヒール役」と言っていいはず。

 反感を買うような言動も多いが、バイオリニストとしての実績は世界的であり、発言にも説得力がある。「この人は、好感度などに頼らず実力の世界で生きてきたから、世間の声など関心がないと思う。ヒールもヒーローも超越した存在」(富山県/50代・女性)という意見もあった。

 世代別まで広げて見てみると、YouTuberの【ヒカル】や【手越祐也】のようなSNSでの発言も注目を集めるタレントがランクインしている。ヒール役といっても、テレビだけで見えているものがその人ではなく、テレビとSNSで自らのブランディング術として発言も使い分けているタレントも今では多い。

 現状、コンプライアンス的な問題もあり、発言には気を遣うことも多いが、タレントが守地に入ると、コンテンツが均一化してしまい「テレビ離れ」「テレビが面白くなった」と思う視聴者も増えてくる。そのため、ヒール役(嫌われ者)は必要悪とも言えるはず。これまでビートたけしやダウンタウン、有吉弘行らテレビで天下を取ってきた先人たちもヒール役(毒っ気)を武器に戦ってきたという歴史が実証するように、毒っ気はいつの時代も常に求められているものなのだ。

【調査概要】
調査時期:2020年8月21日(金)〜8月28日(金)
調査対象:計1000名(自社アンケートパネル【オリコンモニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコンモニターリサーチ