倒産・リストラしそうな会社の予兆TOP8。300人に聞いた理由

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 新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配はなく、経済状況の逼迫は拡大の様相を見せている。企業の倒産は右肩上がりで、厳しい舵取りが予想される。過去に勤務先の倒産やリストラを経験した300人に聞いた会社が傾いた理由とは?

◆完全失業者数197万人、休業者220万人、10月以降はさらに…

 コロナ不況が本格化しつつある。帝国データバンクの調査によると、緊急事態宣言が発出された4月以降、「新型コロナウイルス関連倒産」の憂き目に遭った法人・個人事業主が急増、とりわけ飲食業、ホテル・旅館、アパレル・小売店が死屍累々だ。

「個人消費の落ち込みが大きく影響しています。外出自粛によって百貨店の利用客が激減してアパレル業界に打撃を与え、多くの人が外食や旅行を控えた結果、飲食店やホテルの経営も悪化しました」

 そう指摘するのは、経済評論家の加谷珪一氏。飲食店やホテル・旅館は、オープン前の設備投資に大金がかかり、その多くが借り入れで賄われている。収入が途絶えれば、すぐに返済に行き詰まってしまうのだという。

「各種の統計から試算すると、飲食やホテル業界では、利用客が2〜3割減ると、現金が半年で尽きてしまう。もともとお金のやり繰りが難しい業界を、コロナ不況が直撃しているんです」

◆世界的な自動車不況が引き起こす最悪のシナリオ

 今後も消費が回復しなければ、さらに経済的被害は広がる。

「世界的に自動車の販売が落ち込んでいる状況が今後も続けば、日本の自動車業界のダメージのみならず製造業全体が傾く。自動車向け需要が多い鉄鋼メーカーやゴムなどの化学メーカーはもちろん、昨今の自動車はコンピュータ制御ですから半導体メーカーも大変。工場の生産設備をつくっている会社にも影響が出るでしょう」

 そして10月以降は新たな局面を迎えるだろう、と加谷氏。

「企業の多くは9月頃から来年度予算の作成を始めます。その際に、大企業ではリストラ、希望退職者の募集、ボーナス・昇給ナシなど人件費のスリム化を図ることが予想されます。

 同時に下請けの中小企業への値引き要求も実施するはず。日本には大手メーカーの下請けをしている中小企業が多く、シビアな状況になります。さすがに取引先の倒産を放置できず、発注元のメーカー主導で経営が苦しい中小企業の合併を進めるケースもあるでしょう。

 ただ、新たな会社で働ける人数は限られている以上、職を失う人も出てきそうです」

 東京商工リサーチによると、上場企業での早期希望退職実施状況は8月半ばで52社にも達しており、大企業も深刻な状況だ。

◆失業者数が今の3倍に

「7月時点の完全失業者数は197万人ですが、休業者は220万人もいます。彼らが今後復帰できなければ失業者になります。

 さらに、高給と業務内容が見合っていない“働かないおじさん”は、全国に400万人いるといわれ、彼らを抱えきれなくなった会社が倒産する可能性は高い。

 理屈の上では、失業者数が今の3倍に跳ね上がっても不思議ではないんです」

 最悪のシナリオを事前に予測して回避する手立てはあるのか。SPA!は、過去に勤務先の倒産やリストラを経験した300人を対象に、アンケートを実施(※詳細は下記参照)。Q1で64.3%の人が倒産を事前に察知できたと回答した。また、倒産理由(Q2)は多岐にわたるものの、その予兆は可視化されているものが多い。Q1の倒産を察知できなかった35.7%に入らないことが、サバイバルの第一歩になるのだ。

◆倒産やリストラを経験した300人アンケート

Q1 会社が倒産やリストラすることは事前に察知できましたか?
YES 64.3%(193人)
NO 35.7%(107人)

Q2 会社が倒産やリストラにいたった理由は?(単一回答)
仝楜劼慮詐 48人
⊆卍垢量蟻霧い 45人
A反イ旧態依然としていた 38人
た卦プロジェクトへの投資の失敗 34人
ゥ咼献優好皀妊襪古い 30人
η箜欟發回収できず連鎖倒産 27人
Р然紛チ茲稜箸砲里濆まれた 24人
┸靴靴ぅ灰鵐謄鵐弔鬚弔り出せなかった 22人
その他 32人

調査期間は8/25〜28、対象は過去に倒産および、早期退職などのリストラを実施した会社に勤めた経験のある30〜55歳の正社員・契約社員300人(男女)

【加谷珪一氏】
経済評論家。日経BPを経て、野村證券グループの投資ファンド運用会社で投資業務を担当後、独立。経済、金融、ビジネス、ITなどの多分野に精通。

<取材・文/真島加代(清談社) アンケート作成/パイルアップ>
※週刊SPA!9月15日発売号の特集「[会社がヤバい!]を見抜く」より

―[[会社がヤバい!]を見抜く]―