中国の武漢市の病院で「国際看護師の日」を祝う看護師ら(2020年5月12日撮影)。(c)STR / AFP

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【AFP=時事】中国のテレビ局が放送を開始した新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をテーマにしたドラマが、流行の中心地で闘う女性の役割を軽視していて性差別的だとしてソーシャルメディア上で非難を浴びている。

 国営中国中央テレビ(CCTV)のゴールデンタイムの新作連続ドラマ「最美逆行者(Heroes in Harm's Way)」は18日に初回が放送されたが、新型コロナと闘う女性たちの描き方について大きな批判を巻き起こした。

 問題視された場面の一つは、新型コロナ流行の発祥地となった武漢(Wuhan)市のバスの運転手たちのシーン。救援物資を届けるボランティア活動に男性の運転手たちが志願する一方、女性の運転手たちは家事を理由に参加したがらない。

 中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」ではユーザーらが、女性の運転手やボランティアによる実際の活動を称賛した国営メディアのニュースを引用し、武漢でのロックダウン(都市封鎖)中、物資供給や医療活動で女性たちは重要な役割を果たしたと主張した。

「今回の流行(との闘い)で女性たちは大いに貢献してきた…パンデミックはいまだ終わっていないのに、彼らはもう(女性たちを)中傷している」というコメントは1万5000件の支持を集めた。

「この連続ドラマは、新型コロナとの闘いにおける女性のバス運転手たちの貢献を無視している。映画やテレビドラマの中に、暗黙のうちに紛れているこうした類いの性差別は是正されるべきだ」と投稿したユーザーもいた。

 ソーシャルメディア上ではこのドラマのタイトルをハッシュタグにした視聴ボイコットの呼び掛けが起き、週末にこのハッシュタグはいったん削除されたものの、同じくタイトルを入れたハッシュタグが再び登場し、21日午後までに22億回以上閲覧されている。

 公式統計や報道によると、実際の武漢市での流行中に最前線で働いていた医療スタッフの大半は女性だ。また4月の保健省発表によると、武漢市が省都である湖北(Hubei)省に派遣された看護師計2万8600人のうち90%以上を女性が占めていた。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)も3月、湖北省に派遣された医療従事者4万人の3分の2は女性だと報じている。

 さらに国営英語放送CGTNは4月、医療従事者に車で食事を届ける女性調理師に焦点を当てた特集番組を放送している。

 21日の時点で大手映画レビューサイト「豆弁(Douban)」では、非難を浴びた新作ドラマの格付け部分は閲覧できなくなっており、コメント欄全体は検閲されている。

【翻訳編集】AFPBB News

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