米ハワイでサーフボードを持つダグ・フォルターさん(左、2015年10月18日撮影)と、フィリピン・サランガニ島で同じサーフボードを持つジオバネ・ブランズエラさん(右、2020年9月18日提供)。(c)AFP PHOTO / BRENT BIELMAN / COURTESY OF GIOVANNE BRANZUELA

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【AFP=時事】サーファーのダグ・フォルター(Doug Falter)さん(35)は、ハワイ・ワイメア湾(Waimea Bay)でサーフボードが巨大な波にのまれてなくなった際、地元の漁師が拾ってくれることを何よりも望んでいた。8000キロ以上も離れたフィリピン南部で発見されるとはまったく想像していなかった。

 ビッグウエーブ・サーフィン用の淡いブルーの特注ボードが波の中に消えるのを見てから2年以上がたったある日、フォルターさんは、フィリピン・サランガニ(Sarangani)諸島付近でボードが見つかったとソーシャルメディア経由で連絡を受けた。

 ボートの新たな持ち主は、地元の学校教師でサーファー志願のジオバネ・ブランズエラ(Giovanne Branzuela)さん(38)。ブランズエラさんは数か月前、雨風でひどく劣化したこのサーフボードを近所の人から2000ペソ(約4300円)で購入した。このボードはフォルターさんが紛失してから6か月後の2018年8月に、海に浮いているのを漁師に発見されたという。

 ビデオ会議サービス「ズーム(Zoom)」でAFPの取材に応じたフォルターさんは、「ボードの写真を見たとき、信じられなかった。ほぼ冗談だと思った」「ボードは絶対に見つからないと確信していた」と語った。

 太平洋を数か月間漂流したボードは黄色に変色したが、その表面には、ハワイ拠点のボード職人、ライル・カーソン(Lyle Carlson)氏の名前が残っていた。

 興味を持ったブランズエラさんは、フェイスブック(Facebook)でカーソン氏を探し、ボードの写真を送った。カーソン氏はその写真にフォルターさんのタグを付けてインスタグラム(Instagram)で共有した。

 ブランズエラさんはAFPの電話取材に対し、「ハワイから来たサーフボードだと分かった。自分でも信じられなかった」「サーフィンを習い、ここで大きな波に乗るのが夢だった」と語った。このボードは喜んでフォルターさんに返すという。

 2人はフェイスブックで連絡を取り合っており、フォルターさんは新型コロナウイルス対策の旅行制限が解除されたらサランガニ諸島にボードを取りに行く計画を立てている。

 商業写真家でもあるフォルターさんは、米フロリダ州で約15年前にサーフィンを始め、その後ハワイに移住。このボードがとても大切だと述べ、「初めて自分用にカスタムシェイプしたビッグウエーブ用ボードだった。これまでに経験した中で最も大きかった波の日に、これでサーフィンをした」と語った。

 波が高さ20メートルに達したサーフィンの大会でも、このボードを使用したという。

 フォルターさんは、自分のボードと引き換えに初心者用のサーフボードをブランズエラさんにプレゼントし、サランガニや近隣のバラット(Balut)島周辺でサーフィンを教えたいと語る。

「彼にサーフィンを教えるのは素晴らしいエンディングになると思う」

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