日本屈指の高級住宅街「港区麻布」超一等地の邸宅に住むのは?

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日本各所に点在する、高級住宅地。どのようにして高級住宅地となったのか、その資産価値はどれくらいなのか。富裕層が住む、知られざる高級住宅地のストーリーを紐解いていきます。今回ご紹介するのは、港区麻布。

かつての陸の孤島…国際色豊かな高級住宅地

港区麻布は、港区の5地区のひとつで、山手の高級住宅地の代名詞に数えられる地域です。元々港区は、1947年に「麻布区」「芝区」「赤坂区」が合併して誕生しました。麻布は旧麻布区にほぼ一致するエリアで、現在、麻布と名がつくのは、「麻布狸穴町」「麻布永坂町」「南麻布」「元麻布」「西麻布」「麻布台」「麻布十番」「東麻布」の8つの地区。「六本木」も元来麻布地区ですが、昨今は、高級住宅街の麻布と繁華街の六本木を分けて語られることが多いようです。

港区南麻布付近/PIXTA

[図表1]港区麻布周辺図

また都心でありながら交通の便が悪いことで知られ、特に南麻布や麻布十番あたりは、かつて「陸の孤島」と呼ばれていました。一方で車でしかアクセスできない立地から、都会の喧騒から隔離された、大人の隠れ家的な街として人気を集めていましたが、東京メトロ南北線、都営地下鉄大江戸線が開通し、利便性は一気に向上。街の魅力が広く知られることになりました。

ひと口に麻布といってもエリアは広く、地形的には起伏に富んでいます。特に高級住宅地といわれるのが台地であることが多く、幹線道路沿いには、高級レジデンスがズラリ。一方で坂の下は、築年数は古くなりますが、リーズナブルでお手頃価格の賃貸物件も豊富で、「麻布に住みたい!」という人の憧れを叶えてくれます。

麻布といえば、各国の大使館やインターナショナルスクールなどが集まる国際色豊かな街として知られています。なかでも「元麻布」には「オーストリア大使館」や「アルゼンチン大使館」、由緒ある会員制社交クラブである「東京アメリカンクラブ」などが集まり、外国人の多いエリア。広い道路に、広い敷地に建つ邸宅が並ぶゆったりとした街並みは、洗練された気品にあふれています。

「南麻布3丁目から5丁目」にかけても、「フランス大使館」や「ドイツ大使館」などがある国際色豊かなエリアで、麻布エリアのなかでも高級住宅地として知られている地域です。広大な緑を有する「有栖川宮記念公園」のほか、日比谷線「広尾」駅にも近く、利便性も兼ね備えています。アーティストに人気のエリアだけあり、デザインにこだわった豪邸が多いのも特徴です。

一方で「麻布十番商店街」に代表されるように、地域に密着した、どこか下町の雰囲気を内包するエリアがあるのも麻布の魅力のひとつ。そのなかに洗練さと国際色もブレンドされ、ほかにはない独特の雰囲気を醸し出しています。

また古くからの住宅街である麻布では、「六本木ヒルズ」に代表されるように、近年、大規模な再開発も活発に行われています。そのなかでも注目されているのが、麻布通り、外苑東通り、桜田通りに囲まれた麻布台1丁目を中心とした約8.1ヘクタールの「虎ノ門・麻布台プロジェクト」。住宅、ホテル、オフィス、商業施設、教育施設(インターナショナルスクール)などが整備される予定で、メインタワーは330mと、竣工時には日本一の高さになる予定です。

邸宅の比率が高い「麻布永坂町」住む人の職業は?

江戸時代、多くの大名屋敷や武家屋敷を有し、近代に各国の大使館に転用され、国際色豊かな閑静な街並みが作られた麻布。高級住宅地として知られる一方で、坂の下にはリーズナブルな賃貸物件も多く、「住む街」としても高い人気を誇りますが、実際、どのような人が住んでいるのでしょうか。国勢調査(2015年)などの結果から、その傾向を紐解いていきます。

港区麻布8地区に住むのは、44,766人。人口密度は17,021.3/k屬函都心の住宅地としては、敷地はゆったりとしていることがうかがえます。年齢構成をみていくと、15歳未満が12.8%、15〜64歳が70.8%、65歳以上が16.3%と、現役世代が多いエリアです。また外国人比率は10.5%と、港区平均7%を上回ります。特に「麻布永坂町」や「元麻布」は18%にもなり、特に外国人が住むエリアになっています。

また世帯数は24,566世帯で、単身者率は54.7%と5割を超えています。現役世代の単身者が過半数を超えるエリアです。また夫婦の二人暮らしは14.5%で、子どもと暮らす世帯は18.2%。5世帯に1世帯は子どもがいる計算になります。

住居の所有状況をみていくと、持ち家率は48.0%。おおよそ、賃貸と半々です。また一戸建てに住むのは12.7%。特に「麻布永坂町」は、5人に1人が「都心の超一等地の邸宅に住む」という、絵にかいたような富裕層が住むエリアです。

続いて、就業している人の属性をみていきます。15歳以上で就業しているのは15,677人。そのうち最も多いのが「卸売・小売業」で1,508人。「学術研究、専門・技術サービス業」1,437、「情報・通信業」1,320人、「医療、福祉」1,050人と続きます。やはり、富裕層の代名詞である医師を始めとする医療関係者が多く住んでいます。

また会社役員以上が全体の14.0%の2,182人。その割合が8地区のなかで最も高いのは前出の「麻布永坂町」で、6人に1人は企業の重役という水準です。

2020年公示地価をみていくと、麻布8地区のなかでも高いのは、南麻布4丁目。「広尾」駅から徒歩10分ほどの地点で、350万円/屐1,157万円/坪)と、10坪の極小住宅を建てようと考えると、土地代だけで1億1,570万円と、軽く1億超え。完全に富裕層の世界です。

さらに過去2年間の中古マンションの取引実績から1平米当たりの販売価格をみていくと、平均152万5,000円/屐たとえば80屬離侫.潺蝓叱けマンションを購入しようとしたら1億2,200万円と、こちらも軽く1億円を超える水準です。

各国の大使館が集積し、国際色豊かな高級住宅街として知られる麻布。台地と谷が入り組むなか、台地には敷地の広い邸宅が並び、企業の経営を担う重役たちが多く住んでいます。そこに広がるのは、地価もマンション価格も軽く億超えと、一般人の常識を超える世界です。