チャドの首都ヌジャメナから25キロのコウンドウルで、車の後部に乗るチャド軍兵士(2020年1月3日撮影、資料写真)。(c)AFP

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【AFP=時事】アフリカ・チャドの首都ヌジャメナの裁判所で17日、殺人の罪に問われた陸軍大佐が禁錮5年の有罪判決を言い渡された直後、親族が乱闘をでっち上げ被告を逃がすという出来事があった。同国政府が明らかにした。

 アブドゥラヤ・アフマト・ハルーン(Abdoulaye Ahmat Haroun)被告が若い機械工2人に至近距離から発砲する様子を捉えた動画が先月、インターネットで拡散し、国中から怒りの声が上がった。機械工のうち、1人が死亡した。この動画をめぐり政府は、「憎悪をあおる」メッセージの拡散を遅らせるためとして、インターネットを切断。人権団体はこれを激しく非難した。

 同国のジメ・アラビ(Djimet Arabi)法相はAFPに対し、有罪判決が下されると、同被告を逃すため「若者と女性が乱闘をでっち上げた」と述べた。同被告は5時間後、住宅に共犯者5人と隠れているところを発見され、警察と軍により再び拘束されたという。

 チャド人権連盟(Chadian Human Rights League)のマックスベルト・ロールンガー(Maxvelt Loalngar)代表は、一部の親族は「軍用武器」を携帯し、被告席からハルーン被告を引っ張り出して、裁判官に向かい「奴隷」と叫びながら逃げたという。

 同被告が機械工に発砲した動画が拡散すると、同被告がチャドで30年間強権体制を敷いているイドリス・デビ(Idriss Deby)大統領と出身地が同じだとし、民族的背景があると指摘する声も上がっていた。また、同被告は刑事事件で訴追されないことになっていたと言う人もいる。

【翻訳編集】AFPBB News

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