最近、家で過ごす時間が長くなり、外食中心だった食生活が一変、頻繁に料理を作るようになった。レパートリーが増えるとつい欲しくなるのが「食器」だ。

どんな食器に盛り付けるかで、料理の満足感は大きく変わる。食器には、料理や食事を楽しくする不思議な魅力があるのだ。

今日、料理が映える食器を買い足したくて向かったのは、最近注目の奥渋と呼ばれるエリア・富ヶ谷にある『DISHES(ディッシーズ)』。足を運ぶたび、食器の魅力に気づかせてくれるお店だ。

「食事は楽しい」という原点に立ち返れる場所

『DISHES(ディッシーズ)』は、代々木公園駅から歩いて約8分、シンプルな白塗りの外観が印象的な「MEALS ARE DELIGHTFUL(ミールズアーディライトフル)」という建物の1階にある食器専門店。

愛知県瀬戸市に本社を構える食器メーカー「マルミツポテリ」による東京初の直営店として、2018年に待望のオープンを果たした。

ドアを開けると、店内はすっかり秋の雰囲気。中央の棚には土鍋が置かれ、新米の季節を感じさせてくれる。

DISHESの魅力は、どの食器がどんな料理に合うのかなど、店員さんが好みや生活スタイルに合う食器を提案してくれること。また、食器の組み合わせ方などは、思いもよらない発見があったりと、料理や食事が自然と楽しみになる。

ここは、単純に好きな食器を買うだけでなく、「食事は楽しい」に気づかせてくれる場所なのだ。







シンプルながらも温かみを感じる、職人の手仕事

店内に並ぶ食器は、家庭での使用をイメージした『STUDIO M'(スタジオエム)』とプロユースの『SOBOKAI(ソボカイ)』というオリジナルブランドのもの。どちらもシンプルながら色や形、風合いに個性があるデザインが特徴だ。

大人っぽいシンプルさに加えて、どこか“温かみ”のあるDISHESの食器。その理由は、器の製作工程に隠されている。

というのも、ここの陶磁器は全て、瀬戸焼で知られる愛知県を中心とした窯元で生産されている国産食器。工程のどこかに、必ず職人さんの手仕事が加えられているのだ。

たとえば、水の浸透を防いでツヤを出すための釉薬を塗ったり、食器に柄や模様を描いたりするのは、職人さんの手作業でおこなわれている。だからこそ、柄の濃さや大きさのばらつきなど、ひとつひとつ違う表情を楽しめるのだ。

さらに、食事中にはわからない食器の裏側にもこだわりが隠されている。それが、食器を洗うときなどにひっくり返して初めてわかる「裏印」。裏側に彫られたロゴやイラストも、オリジナルならではの温かさが宿っているように感じられる。







自分の暮らしに寄り添う食器を探して

しばらく店内を歩き回って食器を眺めているものの、目移りしてばかりでなかなか決まらない。

ふと最初にDISHESを訪れた日を思い出した。当時は自炊を始めたばかりで、カレーやパスタなど幅広く使えるプレートを紹介してもらったのだった。

さっそく店員さんに声をかけ、相談してみる。

「シンプルな食器が多いなら、形や色がアクセントになるものがいいと思います」と店員さん。

続けて、今の季節におすすめだというグラタン皿を提案してくれた。秋から冬はもちろん、暑さで台所に立ちたくないときにもおすすめだという。

その一言で、グラタンづくりにも挑戦してみようと思い立つ。

いくつかあるシリーズの中から、メイン料理が映えそうな四角形の〔マカロニグラタン(\ 2,310/税込)〕を買うことに。4色展開の中から、秋の食材が映えそうな、店舗限定カラーの黒に決めた。

このようにオンラインでは購入できない店舗限定カラーがあるのも、店舗に足を運びたくなる理由のひとつとなっている。

手に届く「ちょっといい食器」を手に入れてご機嫌な帰り道、お気にいりの食器を見つけることが、毎日の食事を豊かにする一歩なのかもしれない、と思う。

現に、ちょっといい食器を手にしただけで、献立を考えることや料理を作って食べること、さらには食器を棚にしまうまでが楽しみになっているのだ。







店舗情報

DISHES

住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-17-5

アクセス:代々木公園駅 徒歩8分

電話番号:03-5465-1771

営業時間:11:00〜17:00

定休日:水

新型コロナウィルスの感染拡大防止などにより、各店舗が臨時休業や営業時間の短縮を行なっております。おでかけ前に、営業状況など各店舗へご確認ください。

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