9月18日から全国公開 (C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

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 「ダークナイト」シリーズ、「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET テネット」が、9月18日から日本公開を迎える。メガホンをとったノーラン監督、主人公の“名もなき男”を演じたジョン・デビッド・ワシントンが取材に応じ、本作について語った。

 “時間の逆行”を駆使して、未来に起きる第3次世界大戦から人類を救うミッションを与えられた名もなき男の奮闘を描く。全米では2週連続で1位を獲得した。

 これまでも“時間”を題材にしてきたノーラン監督は、「時間は長いこと自分のなかで大きなテーマになっています。『メメント』ではメタファーとして描いたことを、今回は物理的に描いて消化しています。なので、実際に時間が逆流する物理の法則の中で、登場人物がどうやって動くかを考えた映画です」と説明する。

 「このコンセプトをどうやって映画に生かそうか考えたのが6、7年前です。そこで出した結論が、スパイ映画ならうまく落とし込めるかもしれないということ。もし時間が逆流するなら、どういう法則が適応されるのかをスパイ映画の枠にはめています」

 ノーラン監督自ら執筆した脚本にはかなり時間をかけたそう。「ハイコンセプトな世界観を作るときは、この世界ではこういったルールが適用されるというのを事細かに決めて、それを決して破らないようにしています。観客は、ストーリー的にずるがあると敏感に感じ取ると思うからです」と過程を明かし、「ただ、脚本を書いているとき、慣れたらこのストーリーを自分の頭の中で考えられるようになると思っていましたが、実際はカメラに収めておかないと頭の中でつかめなくなる感覚が自分にもありました」と告白。

 監督自身、全体をつかむのに苦労したという脚本について、名もなき男を演じたデビッド・ワシントンも「読むのがとにかく大変」と振り返る。

 「脚本を読むのに4時間かかりました。10ページ進んでは5ページ遡って、15ページ進んでは10ページ遡ってという具合でした。1時間経ってつかんだと思っていても、しばらく考えるとわからなくなってきて混乱しました(笑)。まるで『オズの魔法使い』のカーテンの後ろを見たような気持ちや、ストーリーへのワクワクもあったし、どうやって役に入り込もうか考えようとする思いもありました」

 ノーラン監督との撮影は充実していたといい、「監督の与えてくれた環境が素晴らしてく、セリフが多い撮影日はまるで独立系の映画を撮っている雰囲気でした。そのセリフの真実をあぶりだすことに集中できた。不安になることなく自由に試行錯誤ができて、監督はこんなに時間をかけて書き上げた脚本なのに、俳優それぞれの解釈を受け入れてくれました。現場では名案を思いついた人のアイデアを採用してくれるような雰囲気だったから、これだけの伝説的な監督なのに、一緒に作り上げることができたことに驚きました」と信頼を寄せる。

 その話を隣で穏やかに聞いていたノーラン監督。最後に、観客に向けて「世界に対する見方を変えてみると面白いということを感じてほしい」とメッセージを送った。

 「TENET テネット」は9月18日から全国公開。