老年的超越が仇とならないために

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長期的避難生活による弱体化を防ぐ


 避難所生活が長引くと、それが日常の生活習慣になります。被災する前に普通にあった物や事が突然なくなって、喪失感に苛まれてしまいます。人は「変化」がもたらすストレスにたいへん弱い生き物です。

自然災害で被災すると、先ずは衣(裸ではなく衣類で素肌を守る)食(非常食の摂取)住(雨風を凌ぐ)の確保が必須です。そして早急に必要な支援が行き届いたあとに、避難生活による被災者への身体的精神的なサポートの段階に移って行きます。そしてさらに避難生活が長期化すると、そこで起こるさまざまなことがいつもの生活様式になってしまいます。偏食や運動不足、自分に合った睡眠が取れないなど、不都合なことが日常化して、延いては生活習慣病を引き起こしてしまうのです。

阪神・淡路大震災や東日本大震災、西日本豪雨災害などに遭われた方々の様子をマスメディアを通して見ていると、避難場所での生活用水の供給、特に飲料水の確保が第一と見て取れます。だからもし私が被災者になった時、口をゆすぐ行為もためらってしまうかも知れない。少なくとも朝起きた時、毎食後、就寝前の「歯みがき」の回数は減ってしまうだろうと思うのです。

そんな状況が続けば、むし歯や歯周病に罹るリスクが高くなる。そこで、もともと人に備わっている予防として、唾液の効力に期待してしまいます。

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人は高齢になるとものごとを全体的に見渡せるようになって(俯瞰して)、しかも「自我」が薄れるという。これらを「老年的超越」というのだそうです。(※1)

自分の欲求は二の次にして周囲の人に気を配るという、慈しみの気持ちが先行するようになるのではないでしょう。

信州で生活していた私の祖母は、まだ足腰の自由が利いていた頃は旅行が好きでした。

そんなおばあちゃんが生前こんなことを言っていました。

「東京に遊びにおいでと誘ってくれるけど、自分のことしかできないよ。おまえのことを世話することができなくなっちまったから、そっちにはもう行けないよ。」と。招待する私にとっては自分のことができれば、それで十分なのに・・・。

お口の不健康は全身疾患という余病を併発してしまいます。肺炎になるリスクが高くなるのです。(※2)何かと充足できない避難生活が長期に及んで、それが日常生活になってしまう。

義歯のお手入れは高齢者の健康を守るために重要なのに、自分の入れ歯のお手入れはずっと後回しにしてしまわないか?と心配してしまいます。

自然災害が人々を襲うことが多くなり、体系的な避難所での口腔ケアの充実がたいせつです。特に被災地に於いて、高齢者に代表される健康弱者に対する歯科医師の養成が進んでいます。(※3)

【出典】
(※1)2020年7月26日 読売新聞 言論
(※2)健検公式テキスト増補改訂版 歯とお口を守る
(※3)2020年7月25日 読売新聞 政治面

[文:健康わくわくサイト 人生100年時代に役立つトレヴィアをお届けします]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 〜 免疫検査を通しての患者様への想い 〜 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。