サイバーエージェントは9月14日、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」において、慶應義塾大学経済学部 星野崇宏教授が率いる理化学研究所 AIPセンター 経済経営情報融合分析チームと共同で「新型コロナウイルス感染拡大防止のためのナッジ理論を活用したランダム化比較実験」を実施し、調査結果の概要を公表した。

メッセージ内容別のクリック率

同実験は7月7日〜28日、無作為に抽出した4大都市圏(東京、大阪、名古屋、福岡)の約60万台のモバイル端末に対し、ナッジ理論を背景とした感染症対策に関する様々なメッセージを配信し、ユーザーの行動変容を確認したものだ。

各メッセージのクリック率を比較したところ、まわりの人への感染リスクを喚起するメッセージがもっともクリック率が高く、新型コロナウイルス感染症の「身近な人へのリスク」に対して、より詳細に知りたいというユーザーが多かったことがうかがえたという。

各メッセージを受け取ったことによる活動量の変化

また、各メッセージを受け取ったことによる効果を推定した結果、感染による死亡リスクや周りの人が自粛していることを想起させるようなメッセージや、自粛をせず感染が広がることによる経済的な影響を強調するメッセージに対して、週末夜間の外出等の活動量が統計的に有意に減少したということだ。

自身へのリスクなど「損失」が明確になることや、他の人の自粛活動への意識が高まることによって、行動変容が強く促されることが示唆されるとしている。

東京における自粛効果が最も大きかった

また、地域別にサブグループにおける回帰分析を行なった結果、東京における自粛効果がもっとも大きかったということだ。

同社は、3密回避など「新しい生活様式」に関する公的機関等のアナウンスがナッジ理論を活用することで、さらに効果的になると考えられるとしている。この実験データについてはさらに詳細な分析を進め、研究論文として発表を予定しているということだ。