金沢の老舗和菓子店「光月庵」で年に一度開かれる大旦那・高月宗寿郎(佐野史郎)の茶会『夕ざりの茶事』の日がやってきた。

花岡七桜(浜辺美波)は、母親の大倉百合子(中村ゆり)が犯人とされた15年前の先代当主・高月樹(鈴木伸之)殺害事件の真相を探るため、この茶会の後にだけ錠が解かれるという樹の部屋に入る機会を狙っていた。七桜は店の古株の菓子職人・山口耕一(和田聰宏)から、夕ざりの茶事の後で宗寿郎がただ一人、この部屋で一服の茶を飲み、亡き樹を偲ぶと知らされたのだ。

椿は、今日子が多喜川薫の父親と不倫して生まれた子だった

 

茶室で大地主・多喜川薫(山崎育三郎)や名旅館「長谷屋」の長谷栞(岸井ゆきの)など大事な来賓をもてなす膳が振る舞われた後、光月庵の跡取り息子・椿(横浜流星)が作り上げた美しい『夕顔』の御菓子が供される初座が始まった。

 

そのころ、椿の母親で女将・高月今日子(観月ありさ)は宗寿郎の部屋で、宗寿郎が書いた遺言書を探していた。遺言状には「すべての財産を孫・椿に相続させる。ただし、光月家の血を引く孫が現れた場合、その孫がすべての財産を相続する」と書かれており、今日子が多喜川薫の父親と不倫して生まれた椿に不利なため、始末しようとしていたのだ。

そこに初座を終えた宗寿郎が戻ってきて鉢合わせに。「お前は蛇だ!」「どうして裏切った?」と怒鳴る宗寿郎に、今日子は「あなたはどうして、私から何もかも奪おうとするのですか?」とつかみかかる。 

一方、宗寿郎が茶室にいないことを不審に思った七桜は、宗寿郎を探して樹の部屋へ。しかし、錠前の外された室内にいたのは、樹の着物を愛おしそうに抱きしめる今日子だった。

さくらこそ光月庵の正統な跡取りだったのだ

 

七桜は「旦那様を刺したのはあなたですか?」「本当のことを教えてください」と問い詰める。だが、今日子は憎悪を爆発させ、七桜に襲いかかってきた。そんな今日子の態度を見た七桜は、ついに「私は『さくら』です」と告白した。たまたまそれを聞いた椿は「こんな日が来るのをずっと恐れていた」とつぶやき、立ち尽くす。

15年前、大倉百合子の一人娘は、みんなから『さくら』と呼ばれており、椿は殺人事件の前夜、父・樹と『さくら』の母・百合子の密会現場を目撃した。椿はそのとき、自分は樹の子供ではなく、『さくら』が樹の本当の子供だと悟った。いつか高月家の血を引く『さくら』が現れ、光月庵の後継者の座を奪われるのを恐れていたのだ。それが七桜の告白で現実のものとなった。 

そんな中、屋敷で火事が発生した。宗寿郎の行方が分からないと聞いた椿は、探しに出かける。七桜は正体がわかってしまったのに、椿の背中に「椿をここで待っているから」と呼びかける。だが、椿は煙に巻かれて倒れてしまい、七桜にも火の手が迫り来るのだった。(よる10時放送)                                                

  寒山