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厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第15回:クローヴィス

 偉大な兄や姉を持ち、デビュー前から話題を集めている2歳馬が今年もいる。栗東トレセンの矢作芳人厩舎に所属するクローヴィス(牡2歳/父ハーツクライ)も、その1頭である。

 同馬が注目されるのは、全姉にリスグラシューがいるからだ。昨年、国内外でGI3連勝を飾って、年度代表馬に選出された名牝である。3歳クラシックでも好走を重ねてきたゆえ、その弟となれば、期待されるのも当然のことだろう。


クローヴィスの姉、リスグラシュー

 姉リスグラシューは、2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げると、続く3戦目にはGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)に挑戦。安定したレースぶりを披露して、早々に重賞タイトルを手にした。

 ただその後は、なかなか勝ち星を挙げられず、善戦止まりのレースが続いた。GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)2着を始まりに、牝馬三冠レースにおいても、GI桜花賞(阪神・芝1600m)2着、GIオークス(東京・芝2400m)5着、GI秋華賞(京都・芝2000m)2着という結果に終わった。

 古馬になってからも、GIII東京新聞杯(東京・芝1600m)で久々の勝利を飾るも、GIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)では再び2着。大舞台では、あと一歩及ばなかった。

 しかし、4歳秋になって覚醒。GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を快勝し、念願のGIタイトルを手にした。

 以降、国内外の重賞戦線で牡馬相手に奮闘し、5歳春のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)では、強豪牡馬相手に完勝。2つ目の勲章を獲得した。

 秋になると、その強さはさらにレベルアップ。海外GIのコックスプレート(オーストラリア・芝2040m)では、斤量57kgを背負って見事な勝利を飾った。

 そして極めつけは、引退レースとなったGI有馬記念(中山・芝2500m)。後続に5馬身差をつける圧勝劇を演じて、アーモンドアイら名だたるトップホースを蹴散らした。

 最後に強烈なインパクトを残してターフを去った姉に代わって、デビューへの準備を着々と進めているのが、弟クローヴィスである。姉も管理していた矢作厩舎のスタッフたちは、同馬について、どんな印象を持っているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「クローヴィスは8月に一旦入厩。ゲート試験に合格し、今はまた放牧に出ている段階にあります。入厩当時のことを振り返ってスタッフは、『雰囲気があるし、いいモノを持っていそう』と評価していました。『力強くてパワーがある』ということで、『リスグラシューとは違うタイプ』とも話していましたね」

 また、同馬の気性面についてはこんな声も聞こえてきたという。トラックマンが続ける。

「現状では『テンションが少し高いタイプ』とのこと。その分、スイッチが入らないよう注意しているようです。この気性面からも、『マイルあたりが適距離なのかな』とスタッフ。いずれにせよ、『これだけの血統ですから、デビューへ向けてきっちりと仕上げていきたい』と語っていました」 万全の態勢が整うまで、じっくりと調整されているクローヴィス。姉リスグラシューを彷彿とさせる走りを見せてくれるのか、初陣が楽しみでならない。