突如GoTo制度変更で旅行時の割引が対象外に!? 「GoTo“トラブル”」になる前に要チェック!

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なぜ突如「GoTo対象外」に? 制度変更で消費者だけでなく業者も混乱

 2020年9月1日から、直接予約の宿泊施設やカーフェリーにおけるGoToトラベルの割引制度が大幅に変更されました。対象のホテルやフェリーであっても、予約方法によっては「対象外」となるケースもあります。

 筆者(加藤久美子)も危うく、割引対象外となるところでした。各社でまったく異なる対応にも注意が必要です。

筆者がフェリーを利用した際のGoToトラベルが適応された乗船券の例(写真上)と、実際の名門大洋フェリー(写真下)

【画像】9月1日の制度変更を画像で見る(12枚)

 筆者は9月1日に名門大洋フェリー(新門司港→大阪南港)に乗船するために、大人2名+乗用車5m未満1台で予約をしました。

 8月13日にも大阪南港→新門司港間を同じ内容で予約し、大阪南港の窓口で検温や問診などを受け、GoToトラベルで割引となる金額の還付申請をするための書類を受け取りました。

 9月1日、乗船手続きをするために新門司港の窓口に行ったところ、前回(大阪南港)と同様、窓口に向かうまでに検温や体調チェックがありましたが、前回と違ったのは「GoToトラベル申請窓口」が設置されていたことです。

 前回(8月)と異なり9月1日からは旅行者自身が事後申請をすることなく、申請書にサインをすると、その場で割引分が払い戻されるとのことでした。

 しかし、予約番号などを告げても私たちの予約が入っていないといわれてしまいました。

 そういえば、今回はコンビニ支払いにしていて支払うのを忘れていたのでした。窓口でお金を払えば問題ないと思っていたのです。

 ところが窓口で「予約がない方は割引の対象外です」といわれびっくり。支払期限を過ぎると予約なしの状態になり、GoToトラベル対象外となるそうです。泣く泣く割引前の金額を支払うことになりました。

 予約確認メールを確認しましたが、「期日までに支払わないとGoTo対象外になります」などの警告もありません(結論からいうとその後、窓口で還付手続きをしてくださり、割引分はその場で返金されました)。

 じつは「予約がない人は割引対象外」となったのはまさに9月1日、この日からでした。

 フェリー会社に聞いてみたところ、「9月1日の朝10時に事務局から知らせが来て、こちらも慌てて準備をしました。この日からお客さま自身でステイナビという第三者機関に旅行内容を登録して、代金を支払う時に割引後の値段で還付がおこなわれるようになりました。

 また、予約をして事前に割引前の代金を支払ったお客さまに対しては、乗船前に窓口で還付分の金額を払い戻す措置をおこないました。しかし、旅行者のほとんどはまずそのような変更をご存知ないですよね。

 それで、9月1日と2日にフェリーをご利用になるお客様に関しては、フェリー会社側で『ステイナビ』に登録をして、お客さまには身元確認とサインをいただき、窓口で還付することになったのです」という答えでした。

「ステイナビ」とは、Yahoo!トラベルや楽天トラベル、旅行代理店などの予約サイトを通さず、宿の公式サイトや電話などで直接予約した旅行に対して、旅行者の代わりに還付手続きを行う第三者機関です。

 9月1日のチェックイン以降、ステイナビに登録した宿泊施設(フェリー会社含む)で割引を受ける場合は原則としてすべて、ステイナビを経由して還付の手続きがおこなわれます。

スムースに還付を受けるためには?

 実際の金額でどれくらい安くなるのかを書いておきましょう。

 筆者が今回利用した名門大洋フェリー(新門司港→大阪南港)を例にとると、車両航送代金(全長5m未満)と大人2名の個室利用代の合計が3万1650円となります(WEB割・シティライン会員割引含む)。

 この金額から35%引きとなるので、最終的な支払金額は2万580円。

 片道(新門司港〜大阪南港)で1万1070円の割引を受けることができました。

GoToトラベルの申請書確認ブース

 それでは、夜行フェリーでスムースに35%の割引を受ける方法を以下に記します。

 これは、Yahoo!トラベルや楽天トラベルなどの予約サイトを通さず、直接予約でGoTo対象となる(ステイナビ利用)ホテルや旅館に適用される方法なので、夜行フェリーを使わない人も是非ご参考ください。

 まず、宿やフェリー会社の公式予約サイトで予約をします。スマホやPCでの予約ができない人は、電話での予約もOKです。その際は、必ずGoToトラベルの割引を受けたいことを伝えましょう。

 次に、ステイナビのサイトに行って予約内容を登録し、35%割引クーポンを入手します。ここまでの手続きはチェックイン当日までにやっておきましょう。フェリーの場合は遅くとも出航1時間前までに完了するのが望ましいです。

 そして、宿やフェリーにチェックインの際に念のためGoToトラベル利用であることを告げておきます。最後に、現地で宿泊代を支払う際、割引後の価格になっているかを確認して終了です。

 フェリー会社によってはステイナビを経由せず、旅行代理店での購入のみを対象としている場合があります。

 主な夜行フェリー会社のGoToトラベルキャンペーン対応は以下となります。

 まず、ステイナビ利用に対応しているのが「阪九フェリー(関西〜北九州)」、「名門大洋フェリー(関西〜北九州)」、「四国オレンジフェリー(東予〜大阪、新居浜〜神戸)」、「フェリーさんふらわあ(関西〜大分・鹿児島 ※北海道行きは別会社)」、「フェリーあけぼの・フェリー波之上(鹿児島〜奄美大島、与論、沖縄など)」、「新日本海フェリー(関西〜北海道、新潟〜北海道など)」。

 旅行代理店での購入に限られるのが「オーシャン東九フェリー(東京〜徳島〜新門司 ※現在のところ東京〜徳島は対象外)」、「商船三井フェリーさんふらわあ(大洗〜苫小牧)」です。

 この2社の場合、船会社の公式予約サイトやインターネットなどでの予約はGoTo対象外なので注意が必要となります。

 またこの記事を書いているさなかに、待望の「高速道路周遊パス」のGoToトラベルキャンペーン開始が発表されました。

 全国28のルートが新たに設定されて、宿とのセットでGoTo支援対象となります。宿と高速道路周遊パス、それぞれで35%(割引額合計最大1名2万円まで)の支援となります。

 こちらも、ステイナビ経由で公式サイトから宿を予約して、そのあと、提示される高速道路周遊パスを選んで予約します(ETC利用料金と一緒に引き落とし)。

 さらに10月1日からは、待望の地域共通クーポン(旅行代金の15%)の発行もおこなわれます。

 また、除外となっていた東京都もいよいよGoToトラベル対象となる見込みです。

 なお、8月31日(チェックイン)までの旅行で、事後申請で還付をおこなう場合の締め切りは9月14日。これ以降は(おそらく)還付が受けられないので、忘れず申請しましょう。

 事後申請に関しては、GoToトラベル事務局の申請窓口でおこないます。