スペイン1部FCバレンシアは、サッカーファンが描くその混沌としたイメージを、いまだなお裏切ることがない。「セビージャやベティスの投資をみるとね・・・。今度のシーズンは難しくなるよ」この言葉は、実際には1年前のマルチェリーノ監督が口にしていた言葉だ。

 そして2020年の夏でも、今度はグラシア監督が「他クラブと自軍を見たとき、選手たちが移籍したことによって、我々はむしろ弱体化している」とコメント。その中には長期に渡り主将を務めたダニエル・パレホをはじめ、主力のフェラン・トーレス、ロドリゴらも含まれる。「ここに来る前には、援軍がやってくると聞いていたんだ。しかしいまだ、何ら音沙汰もない」と言葉を続けた。

 そのため新指揮官が「一刻も早い」補強を切望する一方で、選手との契約は「理解できない理由により確定されていない」という。「少し失望しているよ。誰も取ってくれない、誰もやってこないんだ」そう吐露するグラシア監督は、逆に更なる退団選手が出てくることを懸念。「このポテンシャルでは、クラブの要求に応えることなどできない」と苦言を呈している。