浦和レッズFW興梠慎三【写真:Getty Images】

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鳥栖戦で第3節以来のゴール 「いずれチャンスは来るだろうなと」

 浦和レッズのFW興梠慎三は、9日のサガン鳥栖戦でJ1通算150ゴールを達成。

 試合後には「個人的にはPKとこぼれ球以外で点を取りたいと思っていたけど」と“興梠節”も飛び出したが、「慌てずにやることが大切」というFWとしての極意も語った。

 興梠は浦和が0-1のビハインドで迎えた後半3分、MF関根貴大が放ったミドルを相手GKが弾いたところに反応して蹴り込んだ。その後に両チームがゴールを重ねて2-2で終了した試合後、興梠は「個人的にはPKとこぼれ球以外で点を取りたいと思っていたんですけど」と苦笑。以前にもハットトリックを達成した際に「結局、最後はPKだった」と苦笑いしたこともある“興梠節”で150ゴール目を振り返ったが、「ラッキーなゴールになりましたけど、チームのために取れた1点なので嬉しい」と話した。

 今季の浦和にはJ3、J2で連続得点王を獲得してきたFWレオナルドが加入。よりゴール前に特化したレオナルドと万能型の興梠という組み合わせだけに、ゴール前だけでない仕事が増えている傾向にある。それに加え、7月26日の横浜FC戦で腰を痛めて離脱した期間もあった。そうした事情もあり、2012年の鹿島アントラーズ時代の最終年、13年の浦和加入後にリーグ戦で2ケタゴールを続けている興梠だが、第3節のベガルタ仙台戦で今季の2ゴール目を決めてからノーゴールが続いていた。

 一方で、今や経験豊富なベテランともいえる年代に差し掛かってきたストライカーは、その酸いも甘いも噛み分けてきた経験からFWとして大切な心構えを語っている。

「もう16年プロ生活をやっていますけども、やっぱり(点が)取れない時期はあるし、取れるときは『なんでこんなのが入っちゃうんだろう』という時もあるのでね。そういう経験をたくさんしているので、今は個人的にもやっぱり『なかなか取れないのかな』とずっと思っていたけど、慌てることなくやれば、いつかは取れると思っていたので。もちろん怪我で離脱したのもあったし、復帰してからもなかなか点が取れずに苦しかったですけど、いずれチャンスは来るだろうなと、慌てずにやることが大切だと心がけていましたね」

鹿島時代に共闘したFWマルキーニョスの「152」超えが目標に

 そのうえで「やっぱりこう、FWが点を取らないとチームは乗ってこない」と、慌てずともチームのために必要なのはゴールという考えも明かす。この日のゴールは勝利にまでは至らなかったが、勝ち点1を確保するためには重要なものだった。

 鹿島時代にコンビを組んで今でも敬愛するFWマルキーニョスの通算ゴール数は「152」だけに、「2点で並ぶのかな? 超すには3点。それはもちろん今シーズンの自分の目標としてやりたい」と話す。得点王や年間25点取るというような発言をするビッグマウスではないが、こうやって近い目標を話していくのが興梠のスタイルでもある。まずはマルキーニョス越えを果たしたうえで、次の目標も設定していくはずだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)