こんなに面白い歴史バラエティは久しぶりである。どうせ「麒麟がくる」の宣伝だろうと高をくくっていたら、どうしてどうして、ばっちり調べた史実絵巻である。斎藤道三と長男の斎藤義龍の仲が悪く、戦国時代でも珍しい息子の親殺しの理由を展開する。

義龍はタンパク質異常の『マルファン症候群』という奇病の持ち主だった。タンパク質異常とは細胞の結合が弱く高身長だった。身長6尺5寸(195〜200cm)、つまり、大谷翔平君か藤波晋太郎君並みだね。難病のために心臓や血管が弱く、父の道三も義龍は無能だと見て弟に家督を譲ろうとする。義龍は弟たちを呼び寄せて殺害。結局、道三と義龍は長良川で戦に至り息子が父を殺すのだが、義龍自体もわずか5年後に病死。ドラマでは種(?)違いのように描かれていた。

他にも明智光秀や徳川家康や織田信長の病歴推理も面白かった。一番驚いたのは、細川ガラシャ、つまり、光秀の娘にして細川忠興の妻・玉子の鬱病である。罪人(光秀)の娘という不名誉なレッテルも辛かっただろうが、夫の忠興がなんと戦国時代に白内障の手術(!)を受けたのだ。白内障手術の世界的権威、赤星先生も真っ青。

細い先端がとがった器具でメン球から濁ったレンズの液を吸い出して視界が濁らないようにしたのだが、ロクな麻酔薬もない時代に手術だって! 先人は物凄い大胆なことを実行していたのだ。司会の渡辺あゆみが和服を着てガイド。痩せて老けてしまって残念。(放送2020年9月5日19時30分〜)

(黄蘭)