クマって怖くないの? 抱っこできるって本当? クマを育てて約50年の老舗動物園に聞いてみました

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故・志村けんさんと交流したチンパンジー「パンくん」を飼育していることでも有名な熊本の阿蘇カドリー・ドミニオン。実は1973年からツキノワグマを育てる伝統ある動物園なんです。
毎年、誕生したこぐまが大きくなるまでを見守っているベテラン飼育員の山崎さんにお話を伺いました。


▲凪くんと遊ぶ飼育員の山崎さん

――こぐまを抱っこできる「ふれあい広場」が人気ですが、こぐまは2歳くらいで卒園してしまいます。これは、大きくなると人間と接触するのは危険だからですか?
山崎:自然界でクマが母親と離れるタイミングが1歳半〜2歳頃だからですね。それまでひとり立ちできるように私たちが育てています。

――Instagramでお散歩に出ている様子をよく見ているのですが、どういうルートで歩いているんですか?
山崎:クマってすごく臆病なので、他の動物にでくわすとビックリしちゃうんです。なので、ワンちゃんに鉢合わせしやすい朝の時間は避けるなど、クマ以外に会わないよう気を配っています。

――クマに出合った方の動物が危険を感じるんだと思っていました! 逆にクマ的には怖がっているんですね。
山崎:警戒心が強い動物なので、走って逃げてしまうことが多いです。攻撃的になるのは身を守るためですね。

――集合写真だと一頭ずつ大きさが違うというか、個体差がありますね。
山崎:生まれたときはみんな同じサイズなんですが、両親からの体格遺伝などでだんだん差が出てきます。だいたいオスの方が大きくなりますね。今年は笑(しょう)くんが一番大きいです。


▲生後、数カ月経つと体の大きさに差が出てくる。

――「アルプス一万尺」とか手遊びができる仔もいますよね。
山崎:桜里(おうり)くんですね。全員があそこまでできるわけではないのですが、クマは実は手先が器用で挟む仕草・合わせる仕草が得意なので、褒めているうちに覚えちゃう子もいます。

――頭がいいんですね。
山崎:Y字バランスとか、独自の決めポーズを編み出す仔もいますよ(笑)。心絆(ここな)ちゃんのように人懐っこくてアピールがすごい仔や、やんちゃな笑くんみたいな仔もいて、性格がまったく違うので興味深いです。


▲クマは小さい頃から木のぼりが得意で、水遊びも大好き。

――クマの飼育って怖くないのかな?とお話を伺う前は少し緊張していましたが、すごく可愛くて魅力的な動物だとわかって好きになりました! ありがとうございました。




阿蘇カドリー・ドミニオン
熊本県阿蘇市黒川2163
https://www.cuddly.co.jp/
Instagram:cuddlydominion_official