夏の新潟開催もいよいよフィナーレ。トリを飾るのは、9月6日に行なわれるGIII新潟記念(新潟・芝2000m)だ。

 過去10年の1番人気の成績は2勝、2着2回、着外6回と、信頼度は今ひとつ。そうした状況にあって、3連単では10万円以上の高配当が7回も出ている。そういう意味では、夏競馬を締めくくる"穴党"垂涎のレースとも言える。

 そんな新潟記念を予想するうえで、1番人気の不振以外にも、知っておくべきデータがある。それは、トップハンデ馬の成績もパッとしないことだ。その点について、スポーツ報知の坂本達洋記者が補足する。

「最近5年の結果を見ても、トップハンデの馬は、勝利どころか、馬券圏内(3着以内)にも、わずか1頭しか入っていません。その事実は見逃せないポイントです。

 今年は、昨年3着だったカデナ(牡6歳)が斤量58でハンデ頭。終(しま)い勝負が持ち味の馬で、新潟芝の外回りはいかにも合いそうなタイプですが、過去の結果を考慮すると、さすがに狙いづらいですね」

 また、「今年の夏の新潟は、開幕週から現地で取材していますが、それ以降の時計がかかる馬場に面食らっています」と、日刊スポーツの木南友輔記者が語るように、今年は例年とは異なる馬場状態の見極めが、馬券検討のカギを握りそうだ。木南記者が続ける。

「新潟の芝コースは、先週も良馬場だったにもかかわらず、だいぶ時計がかかっていました。ペースが流れていなくても、上がりの数字が結構かかっています。

 馬場の内側が傷んできているのは見た目にも明らかで、最終週のレースでは、直線競馬以外でも外ラチ沿いに進路を選択する馬が出てくるかもしれません。雨が降って、さらに馬場が悪化すれば、なおさらです。台風10号の接近が伝えられるなか、週末の天気予報が気になるところです」



新潟記念での巻き返しが期待されるピースワンパラディ

 こうしたことを踏まえて、今年の新潟記念で狙い目となるのは、どの馬か。「基本的には、上がりのかかる展開を意識して(馬券の)検討をしたい」と言う木南記者はまず、ピースワンパラディ(牡4歳)を穴馬候補に推奨する。

「前走のGIIIエプソムC(7着。6月14日/東京・芝1800m)の敗因は、不良馬場が影響したように見られていますが、昨秋の東京、今春の中京では同様の馬場で好走していますから、それが理由とは考えられません。思った以上に位置取りが後ろになってしまったこと、そして前が残る展開になったことが影響したのはないでしょうか。

 今回、どの程度の人気になるかは読めませんが、前走の負けで人気を落すようなら、絶好の狙い目。今の馬場を考えれば、かなり面白い存在だと思いますよ」

 木南記者はもう1頭、「しぶとく伸びてくる馬で、今の馬場傾向はぴったりだと思います」と、サンレイポケット(牡5歳)をオススメする。同馬も、不良馬場で行なわれた前走の3勝クラス・ジューンS(6月13日/東京・芝2400m)を快勝し、道悪巧者と言える。

「今回は(オープン入り初戦で)ハンデが54kgと手ごろ。条件もよく、好勝負に持ち込めるのではないかな、と思っています。ピースワンパラディとサンレイポケット、2頭のジャングルポケット産駒に期待しています」

 一方、今年の新潟記念は「切れ味自慢ではなく、スピードの持続力がモノを言うと考えています」と言う坂本記者は、穴馬候補としてゴールドギア(牡5歳)の名前を挙げた。

「ゴールドギアは、2走前の3勝クラス・緑風S(5月10日/東京・芝2400m)を勝ってオープン入り。実績面では見劣りますが、ハンデ53kgというのが大きな魅力。この馬の持ち味は、長く脚が使えるところで、緑風Sでも3コーナー過ぎから仕掛けて、最後まで伸びて勝ち切りました。

 オープン入り初戦となる前走のGII目黒記念(5月31日/東京・芝2500m)では、直線で最内を突く腹をくくった騎乗をして、前が詰まる場面もありましたが、バテずに最後まで踏ん張りました。勝ち馬からコンマ6秒差の5着と、力のあるところを見せたと思います。

 ビュンと切れるタイプではありませんが、スピードの持久力はあります。その持ち味を生かせる、今の新潟の馬場は合っていると見ています」

 坂本記者ももう1頭、推奨馬を挙げる。ゴールドギアと同じく、2走前に3勝クラスを勝ってオープン入りを決めたウインガナドル(牡6歳)だ。

「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンは、オルフェーヴルやゴールドシップと同じ配合で、スタミナがあり、荒れた馬場もプラス。(ウインガナドルは)逃げ・先行タイプですが、タフなスタミナ勝負となれば、チャンスがあります。新潟コースも、6戦2勝、2着1回、3着1回、4着2回と好相性。直線は長くても平坦ゆえ、自慢のスピード持続力が生きるのでしょう。

 ハンデ55kgはちょっと見込まれた感じもしますが、そもそも3歳時にはGIIIラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)で2着と、実力は秘めています。先行争いがそれほど激しくなることはなさそうな今年のメンバーなら、この馬の出番があっても不思議ではありません」 夏競馬を締めくくる伝統の一戦。最後にビッグな配当をもたらす"大花火"を打ち上げるのは、どの馬か。ここに挙げた4頭も、その候補であることは間違いない。