自身も3月に感染した経験から、コロナ対策、誹謗中傷に言及した田嶋会長。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 JFA(日本サッカー協会)の田嶋幸三会長は9月4日、「誹謗中傷、差別や偏見をなくそう 〜感染拡大防止のために〜」と題した声明をJFAの公式サイト上で発表した。

「この未知のウイルスに対して世界中で多くの方が奮闘を続けています。医療従事者の方々、人々の社会生活を支える仕事に従事されている方々をはじめ、数多くの方々に対してあらためて感謝を申し上げます」と謝意を述べ、自身も3月にコロナウイルスに感染した経験からこう語っている。

「現在の状況では、どれだけ感染予防をしていても感染するリスクは誰にでもあります。新型コロナウイルスワクチンの完成や治療法が確立されるまでの間、一人一人が新しい生活様式を実践し、感染しない、感染させない、ということを続けていくことが、このウイルスの爆発的感染や医療崩壊を防ぐための、私たちができることではないかと思います。

 自分自身が感染した経験からいえば、感染を疑った時点から、自分自身のことよりも、周囲の人たちに移していないか、自分から感染を広げていないか、ということを切実に考えました。感染者は病気への不安だけでなく、周囲への影響にも心を痛めています」
 
 また昨今問題となっている誹謗中傷についてはこう宣言する。

「残念ながら一部では、感染者やその家族などに対する差別や偏見、心無い行為が見受けられます。集団感染が発生した学校や大学、職場への誹謗中傷も後を絶たず、一部では人権侵害の行政通報が法務局になされたと聞いています。医療従事者やその周囲の方たちへの偏見や差別があったという報道も未だに目にします。

 こうした行為は、体調が悪くなった場合、批判を恐れて適切な検査や治療を受けないことになったり、あるいは、職場などで感染者が出た場合、組織的な隠蔽(いんぺい)につながったりする可能性があり、この病気への対応で一番大切な初期対応を誤り、結果的に感染を拡大させてしまうといったことにもつながりかねません。

 今は、それぞれが最大限の感染対策に取り組むとともに、当事者の気持ちになって物事を考え、周囲への配慮や思いやりを持って行動することが感染症のリスクを軽減し、偏見や差別をなくすことにもつながると考えています」

 そしてJFAとしての取り組みを説明しつつ、“サッカーファミリー”へこう呼びかけた。

「JFAは、リスペクトを『大切に思うこと』として、サッカーというフィールドから、関わる人々やそれぞれの考えや価値観、あるいは身の回りのモノなどを大切にし、尊重する精神を広く浸透させ、差別や暴力のない世界をつくるべく取り組んできました。サッカーは世界中で最も愛されているスポーツです。社会的にも大きな影響力があります。

 サッカーファミリーの皆さん、ぜひ、皆さん一人一人がメッセンジャーとなって『リスペクト』を広げてください。サッカーというフィールドから誹謗中傷、差別や偏見といった“見えない敵”を排除し、新型コロナウイルスが収束に向かっていくよう、スポーツ界が率先して共に力を合わせていきましょう」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部