昨年7月の参院選での公職選挙法違反の罪に問われている前法相で衆院議員の河井克行被告(57)と妻で参院議員の案里被告(46)=ともに自民離党=の第4回公判が2日、東京地裁でありました。公判では、参院広島選挙区(改選数2)で候補者を現職で一本化するとした党県連の方針に逆らって、党本部の意向で案里被告の立候補が決まった経緯が明らかになりました。

 前回の公判に続き、克行被告の公設第1秘書の男性が証人として出廷。秘書によると、克行被告の後援会が2019年3月に会合を開き、案里被告が立候補を表明したといいます。

 そこでは自民党の二階俊博幹事長の記者会見での発言抜粋が読み上げられたといいます。二階氏の発言は「もう1人擁立できる条件があるのにぼんやりとしている組織がある」といった趣旨の内容で、暗に広島県連に2人目の擁立を促すものでした。

 二階氏の発言が紹介された後、秘書は「幹事長の会見にあったように自民党の議席拡大の可能性があるところには党勢拡大のためにも2議席獲得に向かわなければならない」などと克行被告が発言していたと証言しました。

 昨年の参院広島選挙区で、自民党からは現職だった溝手顕正氏と新顔の案里被告が立候補。案里被告は2位で当選し、溝手氏は落選しました。河井夫妻側には党本部から、溝手氏の10倍にあたる1億5000万円が提供されていました。

 また公判では、案里被告らが業界団体に推薦依頼をするも「溝手氏に一本化しているから」として拒否されたことを記録した文書が証拠採用されました。克行被告は安倍首相のもとで首相補佐官や党総裁外交特別補佐をつとめていました。