中央付近の新型コロナウイルスの発端患者からバス全体に感染が広まった様子を示す図(2020年8月31日作成)。(c)JOHN SAEKI, LAURENCE CHU / AFP

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【AFP=時事】米国医師会(AMA)の医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」に1日、換気状態が良くないバスに乗っていた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者から、同乗者23人が感染したことを報告する研究論文が掲載された。論文によると、感染はバス内のあらゆる場所で確認されたため、ウイルスが空気感染することを示す新たな裏付けになったという。

 各国の保健当局は当初、呼吸によってマイクロ飛沫(ひまつ)が空中に舞う可能性をあまり真剣に考慮していなかったが、専門家らの努力と増え続ける裏付けを前に、従来の見方を再考するようになった。

 論文では、感染予防のためのマスク着用が慣行化する以前に中国で確認された事例を取り上げている。研究者らは、中国東部の寧波(Ningbo)で1月に開かれた仏教関連の催しに参加するため、片道50分の距離を移動したバスの利用者らを詳細に調べ、空気感染のリスクについて研究を進めた。

 論文によると、乗客の一人は昨年末に初めて感染が報告された武漢(Wuhan)の住民との接触があったとされ、この利用者から感染が広がったと考えられるという。

 研究では乗客らの座席の位置を調べ、それぞれにウイルス検査を行った。その結果、バスに同乗していた68人のうち、23人が感染していたことが確認された。

 注目すべきはバスの前方と後方に座っていた乗客への感染で、それら座席の位置は当局や専門家らが感染飛沫が飛ぶとしている1〜2メートルの範囲を超えていたことだ。

 なお、もともと感染していたとされる乗客(発端患者)については当時、せきなどの症状はなかったという。

 研究者らはさらに、バスの空調設備が車内の空気を循環させたことによって、ウイルスの感染が起きた可能性についても指摘している。

 論文では「今回の調査が示しているのは、空気が再循環する密閉空間では、新型コロナウイルスが高い伝染性を持つということだ」と説明された。

【翻訳編集】AFPBB News

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