マツダのロータリーエンジン搭載車は全12車種

 マツダは実質的にロータリーエンジンの実用化・量産化に成功した唯一の自動車メーカーだ。

 1967年5月、世界で初めて、2ローター・ロータリーエンジン搭載車、コスモスポーツの量産をはじめて以来、現状最後のロータリー車、RX-8の生産終了まで、12車種、合計1,997,366台のロータリーエンジン搭載車を世に送り出している。

 そのなかで異彩を放っているクルマといえば、マイクロバスの「パークウェイ」。ルーチェやコスモAPの13B型ロータリーエンジンを流用し、2835kgという重量にも関わらず、最高速度120km/hを誇った。26人乗り(DX)で、正式名称は「マツダ パークウェイロータリー26」。13人乗りのスーパーDXというグレードもあったが、高回転型の燃費の悪い13Bロータリーが、マイクロバスと相性がいいとは言いがたく、1974〜1976年の2年間に、わずか44台だけ生産されて姿を消した。

 もう一台、特異な存在といえば、「ロードペーサーAP」(APはマツダ車で、排出ガス対策をクリアしたことを意味する)。

 1975年に登場した、マツダ初の本格高級4ドアセダンで、マツダ初の3ナンバー車だった。車体のベースは、オーストラリアのGMホールデンのHJシリーズの「プレミアー」。それに13Bロータリーとジヤトコ(当時は日本自動変速機)の3速ATを組み合わせた。

 ライバルは、トヨタのセンチュリーや日産プレジデントと志は高かったが、その両車よりも車体価格が高く、高級車のイメージがなく販売網も手薄なマツダとしては、勝ち目がなくビジネス的には完敗……。1975〜1977年の2年間、800台で生産終了。

エンジンのみならず個性的なコンセプトのクルマが多数!

 さらにマニアックな車種には、ピックアップトラックの「Bシリーズロータリー」というのもある。Bシリーズは、対米輸出専用車で、レシプロエンジンのモデルは、50万台以上の大ヒットを記録。「Bシリーズロータリー」に限っても、16,272台生産された(1973〜1977年)。

 その他、ルーチェやカペラ、ハコスカGT-Rのライバルと知られるサバンナなどは、いずれも20万台以上生産されているし、RX-7シリーズは、SA、FC、FDの三代累計811,634台。

 1981年に登場し、当時もっとも空気抵抗が少ないクルマと言われた3代目コスモは、4灯式のリトラクタブル・ヘッドライトも特徴で、のちに最初のロータリーターボ(12Aターボ)が追加され、国産ではトップクラスの動力性能を誇った(キャッチコピーは「全域・全速ターボ」)。

 1990年登場の量産車初の3ローターを積んだユーノスコスモも忘れられない一台。「V型12気筒エンジン並の滑らかさを持つ」といわれた20Bロータリーは、実質300馬力以上のパワーがあったが、燃費の悪さは国産車随一……(リッター2〜3km)。世界ではじめてGPSカーナビ「CCS」を標準したクルマでもあった。

 このようにマツダのロータリー車は、エンジンだけでも独特なのに、コンセプトまでアグレッシブなクルマが多く、振り返ってみると個性的で魅力的なクルマが多い。

 興味がある人は、現状、最後のロータリーとなっているRX-8を今のうちに購入しておいたらどうだろうか。観音扉の4ドアという独自性以上に、ハンドリングマシンとして際立っていて、AT車のスポーツパフォーマンスを侮れない。

 そのうち、価値がグンと上がってくるような予感があるのだが、どうだろう。