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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 夏の大一番と言える、GII札幌記念(札幌・芝2000m)が8月23日に行なわれます。

 夏競馬唯一のGIIレースで、サマー2000シリーズ(※)の第4戦。さらに、秋のGIを見据えるスターホースが始動戦として選ぶこともあって、毎年注目度の高いレースとなっています。
※夏競馬を盛り上げるために行なわれている重賞のシリーズ戦(※一部、リステッド競走も含む)。6月〜9月に開催される指定重賞での成績をポイント化し、その総合得点を競うもの。芝のスプリント戦(1000m〜1200m)を対象にしたものが『サマースプリントシリーズ』、芝1600m戦を対象にしたものが『サマーマイルシリーズ』、芝2000m戦を対象にしたものが『サマー2000シリーズ』。そして、それらすべてのレースを対象にしたものが『サマージョッキーズシリーズ』。それぞれのシリーズチャンピオンには褒賞金が与えられる。

 昨年は、海外GIの凱旋門賞(フランス・芝2400m)のステップレースとして、ブラストワンピースとフィエールマンが参戦。ブラストワンピースが1着、フィエールマンが3着という結果に終わりました。

 そして今年は、ラッキーライラック(牝5歳)、ノームコア(牝5歳)、ペルシアンナイト(牡6歳)と、3頭のGI馬が出走します。特別登録していたダービー馬マカヒキは、最終追い切りのあとに態勢が整っていないと判断され、回避することになりました。

 GI馬3頭のうち、ラッキーライラックとノームコアは近走の実績も十分ですが、ペルシアンナイトはやや全盛期を過ぎた印象があります。また、今年は格上挑戦の馬や地方からの出戻り馬が加わっても、頭数がそろいませんでした。そういう意味では、昨年に比べて、全体的なレベルは高くないかもしれません。

 となると、ここではGI3勝馬のラッキーライラックが、この先の大目標に向けて意地を見せなければいけないでしょう。

 前走のGI宝塚記念(6月28日/阪神・芝2200m)では、3番人気に推されながら6着に終わりました。しかし同レースは、上位勢がかなりバラけて入線したように、直前に降った大雨によって、道悪の拙攻の差が顕著に出るレースとなりました。

 そんな馬場にあって、ラッキーライラックは早めに仕掛けて、直線では内に入っていく形になりましたから、大きく止まってしまったのも仕方がありません。6着という結果も、そこまで悲観する必要はないと思います。

 メンバーに恵まれた今回、しっかりと結果を出して、秋の大舞台へと弾みをつけたいところでしょう。

 このラッキーライラックに続くのは、実績的にはノームコアということになりますが、今回は久々の中距離戦。結果を出すためには、その距離、その流れに対応できるかどうか、という点がポイントになります。古馬になってからはマイル路線を中心に走ってきましたし、今春はスプリント戦のGI高松宮記念(3月29日/中京・芝1200m)から始動しているので、なおさらです。

 3歳時にはGIII紫苑S(中山・芝2000m)を圧勝。クロノジェネシスの半姉ですから、血統的にも中距離が合わない、ということはないと思います。しかし、マイル以下の競馬に慣れている現状、折り合いや札幌の小回りへの対応がカギになるでしょうね。

 そうなると、注目されるのは鞍上を務める横山典弘騎手の手綱さばき。今年からコンビを組んで、直近の東京・芝マイルのGI2戦、GIヴィクトリアマイル(3着。5月17日)とGI安田記念(4着。6月7日)では、いい競馬を見せてきました。

 今回でコンビを組んで4戦目。もう手の内に入っているはずですから、横山典騎手がどのような作戦を思い描いて、それをどう実践するのか、レース前から楽しみです。

 他では、北海道シリーズで好成績を残しているポンテザール(牝5歳)が有力な1頭と言えます。ラッキーライラック、ノームコアと同様、5歳牝馬。「夏は牝馬」と言いますから、これら牝馬3頭が上位を独占しても不思議ではありません。


トーラスジェミニが札幌記念で波乱を起こすか!?

 さて、今回の「ヒモ穴馬」は、ここまでに名前を挙げてきた有力馬とは少しアプローチを変えて、展開面で恵まれそうな馬を取り上げたいと思います。木幡育也騎手とのコンビで、超人気薄で何度も好走しているトーラスジェミニ(牡4歳)です。今回、この馬の逃げには再び要注意でしょう。

 前走のGIII函館記念(7月19日/函館・芝2000m)では、前々走でオープン特別の巴賞(7月5日/函館・芝1800m)を勝ったばかりで、マークが厳しくなり、結果的に突かれて、ハイペースの逃げになってしまいました。それによって、人気薄の差し馬によるワンツーという超大波乱を演出する形になりましたが、4着に粘ったことは立派だと思います。

 今回は、その函館記念と比べるとメンバーがそろっていますし、函館記念で負けたことによって、注目度は再び落ちるでしょう。加えて、頭数が少なくなって、他にハナにこだわりそうな馬がいないのも好都合です。函館記念の時よりも、ノビノビと逃げられる可能性が高いと思います。

 そうなれば、逃げ切りとまではいかずとも、しっかりと力を出し切ることで、馬券圏内(3着以内)に残れるだけの能力は秘めています。 先週は、GIII小倉記念で長岡禎仁騎手が重賞初勝利を飾りました。今年4年目の木幡育騎手も重賞未勝利の身。最も重賞勝ちに近いパートナーと一緒に、初の重賞制覇を目指して、一発を狙った騎乗をしてくれると思います。引き続き若手騎手がチャンスをつかむのか、注目です。