世界的な高級チョコレートブランド・リンツが工場を構えるスイスの街オルテンで、「チョコレートの雪」が降るという事件が発生しました。チョコレートメーカーのリンツ&シュプルングリーはこの件について、「チョコレート工場の設備に生じた不具合が原因」と説明しています。

Kakao-Regen im Oltner Industriequartier - Lüftungsanlage ist schuld - Olten - Solothurn - Oltner Tagblatt

https://www.oltnertagblatt.ch/solothurn/olten/kakao-regen-im-oltner-industriequartier-lueftungsanlage-ist-schuld-138761604

Chocolate "snow" dusts Swiss town after malfunction at Lindt factory - CBS News

https://www.cbsnews.com/news/chocolate-snow-switzerland-lindt-factory-malfunction/

スイス・オルテンの地元紙Oltner Tagblattが2020年8月15日に、街の一角に「チョコレートの雪」が降ったことを報じました。その写真が以下。市内のスポーツセンターにとめてあったという白い車の屋根が、黒い粒にびっしりと覆われていますが、この粒はカカオの原料であるカカオニブの粉とのこと。



オルテンにチョコレート工場を構えるリンツ&シュプルングリーの広報担当者であるサラ・ターナー氏は、Oltner Tagblattの取材に対し「黒い粒は、ローストされ細かく砕かれたカカオ豆の粉です。工場の換気システムが適切に作動せず、空気中に大量の粉が排出されたため、工場の外に粉がもれた可能性があります」と回答しました。

当日のオルテン市内には、前日から続く強風が吹いており、風にあおられて工場の敷地内で発生したチョコレート原料の粉が飛散したことが、「チョコレートの雪」の正体だったと見られています。リンツ&シュプルングリーによると、カカオニブの粉は人体や環境に対して無害とのこと。また、同社は被害を受けた住人に対し、自動車の清掃費を肩代わりすることを申し出ていますが、記事作成時点では被害の報告や清掃費の請求はないそうです。

Oltner Tagblattは、「工場の不具合は既に修理され、リンツブランドのチョコレートを生産するオルテンの工場は通常どおり操業を続けています」と報じました。

チョコレートの雪」の写真を投稿した上記のツイートには、「ニューヨークにも、ダークビターチョコの雪を降らせて下さい。無理なら、マイルドミルクチョコでもいいですよ」とのリプライや……



チョコレートが降るなら、空に向けて口を開けて味わってみたい」



「私なら、リンツのチョコが無料で食べられる機会を逃さず、車をぺろぺろしていたかもしれません」といったリプライが寄せられていました。



なお、リンツ&シュプルングリーはチョコレート原料について、「人体や環境には無害」と説明していますが、「犬や猫にとっては有毒」との指摘もありました。



専門家も「犬や猫にはチョコレートを与えないでください」と呼びかけているので、動物を飼っている人はペットがチョコレート菓子などを口にしてしまわないよう注意する必要があります。