米ガートナーは8月19日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。2020年版では、30の先進テクノロジーおよび5つのトレンドとをまとめている。「先進テクノロジのハイプ・サイクル」では、今後5〜10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジに注目している。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックに関連するヘルス・パスポートとソーシャル・ディスタンシング・テクノロジーは、ハイプ・サイクル上を急速に推移し、多大な影響をもたらしているという。同社は、いずれも、2年未満で生産性の安定期に達すると見込んでいる。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年 資料:ガートナー

以下が、同ハイプ・サイクルにおいて、5つの先進テクノロジー・トレンド として挙げられている。

デジタル・ミー

人のデジタル・ツインは、物理空間とデジタル空間の両面において人を表現できる、個人のモデルを提供するという。人がデジタル世界とやりとりする方法も、画面やキーボードにとどまらず、インタラクション・モード (音声、視線、ジェスチャなど) の組み合わせを用いたり、人間の脳を直接変えたりするようになっている。

このトレンドにお超える注目すべきテクノロジーとしては、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ、ヘルス・パスポート、人のデジタル・ツイン、シチズン・ツイン、マルチエクスペリエンス、双方向ブレイン・マシン・インタフェース (BMI) が挙げられている。

コンポジット・アーキテクチャ

コンポジット・アーキテクチャは、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージで構成されるソリューションによって実装される。組み込みのインテリジェンスは分散されており、エッジ・デバイスやエンドユーザーなどの外部にまで拡張されている。

アジャイルな組織になるには、コンポーザブル・エンタプライズ、ビジネス・ケイパビリティ・パッケージ、データ・ファブリック、プライベート5G、組み込み型人工知能 (AI)、エッジにおける低コストのシングル・ボード・コンピュータなどのテクノロジを注視すべきだという。

フォーマティブAI

フォーマティブAIとは、状況の変動に応じて動的に変化できる、一連の先進的なAIと関連テクノロジーを指す。こうしたテクノロジの一部は、AI対応の開発ツールを用いて新規ソリューションを生み出しているアプリケーション開発者やユーザー・エクスペリエンス (UX) 設計者に利用されているほか、長期的に適応するために動的に進化できるAIモデルの開発に利用されるテクノロジーもある。

AIの境界線の探求を目指す企業は、AI拡張型設計、AI拡張型開発、オントロジ/グラフ、スモール・データ、コンポジットAI、アダプティブな機械学習、自己教師あり学習、生成的AI、敵対的生成ネットワークを検討すべきだという。

アルゴリズムによる信頼

責任ある権限に基づく信頼モデルは、データ、資産ソース、個人とモノのアイデンティティについてのプライバシーとセキュリティを確保するために、アルゴリズムによる信頼モデルに転換しつつあるという。同社は、アルゴリズムによる信頼は、組織が顧客、従業員、パートナーの信頼を失うリスクとコストにさらされないよう保証する上で役立つとしている。

シリコンの先へ

40年以上にわたって、ムーアの法則がIT業界を導いてきたが。テクノロジーがシリコンの物理的な限界に近づく中、新たな先端素材が、テクノロジの加速と小型化を可能にする画期的な機会をもたらしているという。

検討すべき重要なテクノロジーの例としては、DNAコンピューティング/ストレージ、生物分解性センサ、カーボン・ベースのトランジスタが挙げられている。