2019年、インターネット広告費がテレビ広告費を抜き、広告の中心となりました。バナー広告や検索連動広告のように、さまざまな発展を遂げてきたインターネット広告ですが、反面、ユーザーからはかならずしも好まれる存在ではありません。広告ブロックツールへの関心も、徐々に高まっているという統計もあります。そんな中、広告らしさを感じさせない広告、ユーザーの興味を引きつけ、記事として読んでおもしろい記事広告(タイアップ広告)への注目が高まっています。

本記事では、純広告と記事広告の違いを、運用面、ターゲットユーザー、出稿に適したビジネスモデルの観点から説明します。

純広告と記事広告の違いとは何?

純広告とは? 記事広告とは? それぞれの違いを知ろう

広告は種類が多いだけでなく、運用方法やフォーマットによって分類の仕方が異なるため、きちんと整理しておかないと混乱してしまいますよね。ここでは基本的な言葉の整理からしていきましょう。

○純広告とは?

純広告は別名「予約型広告」とも呼ばれます。広告主が特定の広告枠を事前予約し、その枠を購入して掲載する広告が純広告です。純広告の代表的なものに、「Yahoo!」などに代表されるwebサイトのトップページがあります。

純広告は掲載される場所や掲載金額、期間、配信量などの内容が定められており、多くの人の目に触れやすい場所に広告を表示できるというメリットがあります。

○記事広告とは?

「記事広告」とは、記事の形態で表示される広告のことです。

他の広告が、広告主側が制作する、または広告主側が広告代理店に制作を依頼するのに対し、記事広告は、広告主の依頼で広告を掲載するメディア側が制作するという大きな違いがあります。

広告を出稿する企業とメディアが提携して制作した記事なので、他のコンテンツと一体化して見えるためユーザーにとって違和感がありません。記事として商品情報が伝えられているため、より消費者に近い立場から、使用感や雰囲気を具体的に提供できる利点があります。

○純広告と記事広告の違い

紙媒体では通常の広告を「純広告」と呼び、紙媒体の執筆者が作成する記事広告(タイアップ広告)と分けて考えられていました。

一方、インターネット広告では、取引手法別に運用型広告、予約型広告、成果報酬型広告という分類の仕方が中心となっています。そのなかでも特定メディアの広告枠を予約して買い取り、制作された広告を掲載する予約型広告は、従来の広告に近いため「純広告」とも呼ばれることも。また、Web広告の「純広告」にはバナー広告を始めとしたさまざまな種類の広告があり、「記事広告」をその系列に分類する場合もあります。

しかし、記事広告は掲載するメディアが制作するため、一般の広告よりも「記事に近い広告」という性格を持っています。両者の違いについて、さらにくわしく見ていきましょう。

純広告と記事広告の運用の仕方

純広告と記事広告で運用方法に違いはあるのか?

上記のように、記事広告は純広告の一種なのですが、仕組みや制作方法など、実際の運用方法は大きく異なるので、記事広告を運用する上で知っておきたい仕組みを見ていきましょう。

○純広告にはさまざまな種類がある

純広告には記事広告のほかにも、バナー広告、テキスト広告、動画広告、メール広告のように多くの種類があります。いずれも広告枠を事前に予約し、購入したものなので、有料媒体に優先的に広告掲載機会を確保できるというメリットがあります。

○記事広告はメディアに制作を依頼する

広告主は、自社商品やサービスのメインユーザー層が好んで視聴しているメディアを特定します。そのメディアが記事広告を募集していれば、メディア側に記事広告の制作を依頼します。

メディア側はユーザーの立場から、商品やサービスを利用します。商品情報はあらかじめ広告主から提供されていますが、メディアのライターはそれに留まらない具体的な情報をユーザーに提供します。ユーザーも、記事広告を通じて一般の広告よりも詳しい情報を得ることができます。

純広告のターゲット、記事広告のターゲット

純広告と記事広告のターゲットの違いは何?

マーケティングでは、消費者の購買行動を5段階のプロセスに分けています。通常それぞれのプロセスの頭文字を取って、AIDMAと呼ばれています。

A:認知・注意(Attention)→ I:興味・関心(Interest)→ D:欲求(Desire)→ M:記憶(Memory) → A:行動(Action)

それぞれの段階にいるユーザーに向けて適切にアプローチすることで、消費者を行動(購買)に向けていこうという考え方です。広告も各段階のユーザーに向けて配信されます。

ここでは純広告がターゲットとするユーザー、記事広告がターゲットとするユーザーを見ておきましょう。

○純広告は幅広い人々の認知を目的とする

純広告の目的は「A:認知・注意(Attention)」を得ることにあります。

Yahoo!のトップページのように、幅広いユーザーが訪れるサイトに掲載される純広告は、「幅広い人に対して自社商品を紹介したい」「自社ブランディングを行いたい」と考える場合に適しています。目立つ広告によって人々の認知を得ることができます。

○記事広告はメディアの視聴者の興味・関心を掘り起こす

多くのWebサイトには特定のユーザーが想定されています。20代の女性ユーザーをメインターゲットにしているWebサイトと、50代のビジネスマンをメインターゲットにしているWebサイトでは、そのサイトを視聴するユーザーのニーズもまったく異なっています。

一般の広告より詳しい情報を伝えられる記事広告では、単に商品情報やブランディングに留まらない「I:興味・関心(Interest)」を掘り起こす役割を果たします。

純広告と記事広告のメリットとデメリットを知ろう

純広告と記事広告のメリット・デメリットとは?

○純広告のメリットとデメリット

純広告は掲載場所、金額、期間、配信量などがあらかじめ定まっているため、運用しやすいというメリットがあります。また、優良サイトに掲載されることで、認知・ブランディングに効果を発揮するだけでなく、ユーザーの信頼感を得ることもできます。

デメリットとしては、キーワードごとに入札し配信する仕組みの運用型広告と比較すると、広告費が高額になりやすい点が挙げられるでしょう。上記で挙げたYahoo!の広告を1週間全国配信する場合は、約500万円からとなっています。

○他の広告にはない記事広告の独自のメリット

記事広告には大きく分けて3つのメリットがあります。

ほかのWebページと同様に、違和感なく読める

ユーザーサイドに立って記事が制作されているため、通常の広告ではわからないことまで知ることができる

有名サイトに記事広告を掲載する場合、検索で上位に表示されやすい

デメリットとしては、やはり運用型広告に比べて広告費がどうしても高額になってしまうことが挙げられます。掲載メディアにもよりますが、60万円〜200万円が相場とされています。

純広告と記事広告の違いを理解し、最適な広告媒体を選ぼう

広告の違いを理解してターゲットに最適な広告を選択しよう

Webサイトの広告枠を購入して表示する広告が、純広告です。記事広告は純広告の一種ですが、掲載メディアと提携し、メディアの側が制作するという違いがあります。

記事として制作された記事広告は、ユーザーの側に立った広告として、興味や関心を掘り起こす役割を担っていると言えるでしょう。