日本のサッカーは強くなっているのかーーとは、毎日、毎日、想像を巡らしていなければならないテーマだ。他の競技、中でも野球との一番の違いかもしれない。目の前の試合に目を凝らしながら、同時に本場で行われている試合の動向にも気を配る。先頭集団のサッカーと比較することで、自らの立ち位置を再確認する。

 だが実際に、世界の列強と対戦する機会は4年に1度のW杯しかない。その間、アジア予選があるとはいえ、現在のアジア枠が保たれるなら、よほどのことがない限り、日本が予選で消えることはない。アジアのレベルは低い。実力が伯仲する相手と直接対戦する機会は少ない。だからこそ日頃から、想像を巡らすことを忘れてはならない。先頭集団から目を離すわけにはいかないのだ。

 サッカーは常に右肩上がりを示す競技特性がある。5年前、10年前に比べ競技力は向上している。先頭集団のペースが鈍ることは考えられない。自分たちの向上が実感できても、先頭集団との差は開いている場合がある。

 いまの日本の状況はどうだろうか。代表チームの活動が停止した状態にあるいま、Jリーグが日本の姿そのものになる。

 Jリーグの世界ランキングはどれほどだろうか。

1)スペイン、2)イングランド、3)ドイツ、4)イタリア、5)フランス、6)ポルトガル、7)ロシア、8)ベルギー、9)ウクライナ、10)オランダ、11)トルコ、12)オーストリア、13)デンマーク、14)スコットランド、15)チェコ……

 上記は、現在の欧州各国リーグの序列を示すランキングだ。日本(Jリーグ)はこの中に入ることができるか。入ることができるとしたら何番目か。

 ベルギー、ウクライナ、オランダ、トルコの次ぐらいに位置するのではないかとは、こちらの見立てだが、身贔屓するわけではないが、日本のポジションはいま、少しばかり上がっているように見える。

 サッカーの質という視点で見ると、J1で首位を行く川崎フロンターレが果たしている役割は大きい。前にも述べたが、今季の川崎はクラブ史上最高のサッカーをしている。世界的に見てよいサッカーをしながら、それでいて勝利を重ねている。それはJリーグの最高値が更新されたことを意味する。

 選手のポテンシャルも上昇している。日本代表の森保監督は、毎試合、視察に出かけているようだが、こちらも、気がつけば同じような視点でJリーグを眺めている。日本代表に加えたい選手は誰か。

 その数が多いのだ。一頃より増えている。各チームのスタメン級の7割方が合格ラインを超えているように見える。1度は招集して、試してみたい選手で溢れている。

 直近のJリーグでいえば、2ゴールをマークした松尾佑介(横浜FC)、同じく2ゴールを入れた三笘薫(川崎)だ。鹿島アントラーズの高卒ルーキーどの選手も優秀そうに見える。中でも光って見えたのは、前節の神戸戦で終了間際同点ゴールを決めた荒木遼太郎で、これまでの選手とは異なるボールの持ち方でステップを踏む。また、オナイウ阿道、ジャーメイン良の両ハーフ系の選手も、鈴木武蔵に続いて代表が狙えそうに位置にいる。

 その昔、1990年代の中盤から後半のJリーグは、よい若手がひしめく時代だった。巷では「五輪チームとA代表、強いのはどっち?」などという笑えない話で盛り上がっていた。若手の台頭が、結果的にA代表を強くした原因になる。98年フランスW杯で初出場を果たした日本代表は、それからアジアでは負けない存在になっていった。

 しかしその後、進歩のスピードは鈍った。右肩上がりは続いたが、その角度は世界のサッカーとほぼ同じだった。前年比20%ぐらいの勢いで伸びていたものが、世界全体の平均値である4〜5%程度に落ち着いたという印象だ。